円安の影響や、日本ビザの所得基準が緩くなったことから、世界各国から外国人観光客が日本に訪れています。皆さんも日本の各地の観光客で、外国人の方向けのツアーや外国人の方々が買い物袋を提げている姿を見る機会が多くなったでしょう。実際に、インバウンドの数は2013年には初めて1,000万人の大台を突破し、2014年には1,415万人にまで拡大しました。そして、政府は今後も訪日旅行促進事業(ビジットジャパン事業)を行い、訪日観光客数が2000万人を最終的に超えるようにするよう目指していくようです。
このことから、今後のビジネスにおいても外国人観光客を取り組んでいくことは非常に重要です。すでに、多くの企業や小売店は外国人向けに外国語表記を増やしたり、言語スタッフを配置したりして対応していると思います。しかし、それだけで外国人からの興味をより高めることやライバル店より外国人を取り込むことができるのでしょうか。
そこで、今回は来訪外国人に対してインバウンドマーケティングや戦略が立てやすくなるように、今後来訪する外国人の特徴や国民性を理解するための切り口を4つ紹介したいと思います。
1.歴史や文化、伝統などを知る
訪日客がどのような生活をしているのかを理解するためには、最低限の歴史や文化、伝統などを調査しておく必要があります。調査することによって、どのような食生活を行い、どのような気候で生活をしているのかを把握することができるので、商品展開やどの商品を宣伝していけばよいのかを考える上においても良い指針になるのではないでしょうか。また、オススメ商品なども決めやすくなるでしょう。
また、相手国の簡単な挨拶やフレーズをしゃべることができたら、観光客とのコミュニケーションも弾み、相手の心をキャッチできるでしょう。
中国語であれば
「你从哪儿来(ニーコンナーライ)」 意味 どこからきたのですが?
「你去哪儿?(ニーチューナー)」 意味 どこへいくのですが?
「你好吗?(ニーハオマ)」 意味 お元気ですか?
など簡単なフレーズをいくつか覚えるだけで、観光客サイドからも親近感が生まれ、ビジネスにおいても有利になることはあるでしょう。
訪日客のバックグラウンドを知ることは、ビジネスのみならずコミュニケーションや異文化理解にも役立つこと間違いありません。
外国の文化を調べるサイトはwikipediaや日本政府観光局(JNTO)などたくさんありますので、是非一度ご使用されることをお勧めします。
2.歳時記やカレンダーを知る
日本にもゴールデンウイーク、シルバーウィークなどの大型連休があるように、世界各国は各々の祝日をもち大型連休があります。有名なものとしては、中国の1月下旬の春節(旧暦のお正月)と10月の国慶節(建国記念日)などに大型連休があります。中国人観光客はこの二つの大型休暇を利用して、日本に訪問してきます。
このように、世界の国々と日本国内の大型連休は必ずしも時期が同じではないため、各企業はその時期を把握しなければならないでしょう。各国の休暇に合わせてプロモーション時期の選定や集客に備えるため、販売員の人数や外国語スタッフの採用など時期に合わせたスタッフの配置などが必要になってきます。
突然の大量の外国人客の来店にてんやわんやにならず、落ち着いて対応ができるように事前に観光客の祝日や長期休暇を知っておくことは重要になってくるでしょう。
3.宗教を知る
宗教や風習は直接訪日客の行動に直接作用するものでありますので、日本企業は訪日客のこれらを理解することができなければ、「訪日観光客が訪れない」や「訪日客を激怒させてしまった」といったトラブルをおこしかねません。そのため、各企業は訪日客の国ごとに対する対応をしっかり行う必要があります。
例えば、最近耳にすることの多いムスリム(イスラム教徒)については、彼らは毎日5回聖地に向かってお祈りをしなければなりません。
そのため、訪日旅行に際し、プレイヤーズルーム、サイレントルーム(祈祷所)がないことは彼らを迎える上では、決定的な欠点である。逆に、プレイヤーズルームを備え、更にムスリムに対応したレストランや食事を提供することができたならば、広く紹介されて大きなビジネスチャンスになることは間違いありません。
実際、日本最大級の御殿場プレミアムアウトレットが祈祷所を設けたことは、多くのニュースで報道され、ムスリムの方々から大歓迎されています。そして、多くのツアーの日程表に記されています。
これらの習慣の違いは、相手国のことを知っていればたいしたことはないし、恐れるものでもありません。訪日ゲストの宗教や風習を理解して、相手の立場に立つことで、集客はすぐできるものなのです。
4.趣味、嗜好を知る
訪日客の趣味、嗜好を知ることでどの商品をメインに売り出していくかや、どのように陳列していくかを考える上での重要な要素となるでしょう。
例えば、訪日中国人観光客は「爆買い」何でも大量に買っていくというイメージを持っているかもしれませんが、食事の面から考えると冷えたお弁当や食品惣菜などの出来合いのものを好まない反面、ラーメンや牛肉には非常に関心をよせています。
ファッションでは赤色などの原色を好み、品質にこだわった日本製品に信頼を寄せています。
こういった各国の観光客の趣味、嗜好にあわせて商品を展開していくことは、ニーズを満たすうえで非常に重要なものとなっていきます。
いかがだったでしょうか。急増する日本人観光客に対して対応したいと考えている企業ばかりだと思いますが、実際どこから始めればよいのかわかっていないところが大半だと思います。
上記の4つの切り口から、各国の観光客の特性を把握して、今後の販売戦略や観光客の対応に活かしていただきたいと思います。
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