日本人がタイ人向けにFacebook広告を運用する際の基礎知識や、注意すべき点をまとめました。タイ人向けにFacebook広告の出稿を検討される際の参考にしていただければ幸いです。
基本的なFacebook広告の出稿方法については、【2016年10月時点】Facebook広告の出稿と設定の方法をご覧ください。Facebookページの作成方法から広告出稿方法まで、画像付きで詳しく説明しています。
これからタイ人向けにFacebookページの作成・運用をご検討されている場合は、タイ人集客のためにFacebook、SNSを運用するときの注意点もあわせてご覧ください。
目次
タイ人のFacebook利用状況
まず、タイにおけるFacebookの利用状況について簡単にご紹介します。
このグラフは、2017年1月~12月のタイのSNS利用率を表しています。
Source: StatCounter Global Stats – Social Media Market Share
グラフの示す通り、タイで最も利用されているSNSはFacebook(92.53%)です。Twitter(2.02%)やGoogle+(1.29%)を大きく引き離しています。
We are socialの調査によると、2017年のFacebook月間アクティブユーザー数は4,600万人、毎日Facebookを利用する人は全体の63%です。アクセス端末はモバイルが圧倒的に多く、91%がスマートフォンやタブレットからのアクセスです。
Facebook広告をうまく活用すれば、タイ人ユーザーに効果的にアプローチする事ができます。
タイ語Facebook広告の注意点
ここから、タイ人向けにタイ語でFacebook広告を出稿する際の予備知識と注意点を紹介します。
配信対象を絞る
広告を配信する対象地域を選択します。
対象地域をタイに絞るだけでは、タイに滞在する外国人もターゲットとなってしまいます。タイにいるタイ人にのみ広告を出したい場合は、対象言語をタイ語に設定する必要があります。
さらに、趣味・関心、行動などを設定する事によってより配信対象を絞り込んでいきます。詳しい設定については、Facebook広告のターゲット設定をご覧ください。
翻訳後の文字数に注意する
広告文を作成する際は、スマートフォンの小さい画面にきれいに表示されるように、Facebook推奨の文字数(テキスト:90文字以内・見出し:25文字以内・リンク説明文:30文字以内)におさめる必要があります。
広告文を日本人が考えて管理したい場合、まず日本語で広告文を作成してから、タイ語へ翻訳する事になります。日本語からタイ語へ翻訳をすると、同じ内容の文章でも文字数が増えてしまいがちです。その為、翻訳後の文字数調整が必要です。文字数制限内におさめる為に、ニュアンスをくみ取って意訳した方がよい事もあります。
クリエイティブの制作
Facebook広告では、数パターンの広告文とクリエイティブ(画像・動画)を用意してテストを行い、より効果の高いものを残します。
画像や動画などのクリエイティブにタイ語のキャッチコピーを入れる際は、タイ語のレイアウトに注意してください。タイ語では、改行やフォントによって文章の意味が変わってしまうことがあります。
このように、タイ語は文字が特殊な為、日本人では気付きにくい間違いが発生します。改行以外にも、タイ語の翻訳でよくある間違いや注意点はたくさんあります。
画像内にタイ語のキャッチコピーを入れる場合は、レイアウト後のチェックをタイ人が行うようにしてください。
画像内のテキスト割合
画像内のテキストが多すぎると、配信制限がかかることがあります。Facebook公式のツールを利用して、画像に入れられているテキストが許容範囲内かどうかチェックする事ができます。
テキストオーバーレイツール
https://www.facebook.com/ads/tools/text_overlay
日本語からタイ語に翻訳すると文字数が多くなる傾向にある為、注意してください。
広告のコメント・メッセージに対応する
投稿や広告にコメントが寄せられた場合、返信対応をする必要があります。
好意的なコメントや質問以外にも、クレームの有無についてもチェックする必要があります。
よくある質問などをチェックしておき、FAQとしてFacebookページにまとめて投稿します。これにより、コメントやメッセージの対応工数を若干削減できます。
Facebookの自動翻訳機能
Facebook投稿の「翻訳を見る」をクリックすると、日本語に自動翻訳された文章を読むことができます。
しかし、現時点でタイ日翻訳の精度が低い為、誤訳された日本語が表示されることがあります。Facebook上でうまく翻訳されない場合は、Google翻訳を試すと異なる結果が表示されます。
機械翻訳は文法構造が似た言語同士であれば精度が高いですが、タイ語→日本語の場合はうまく機能しないケースが多いです。
コメント内容を正確に把握する為には、人力翻訳が必要です。しかし、全てのコメントを人力で翻訳して日本人がチェックしていると、予算・時間がかさみます。
社内でタイ人のFacebook担当者を採用し、返信してもらう方がよいです。その際は、返信用のガイドラインを作成しておき、これを元に返信をしてもらうようにします。
広告のコメントを確認する方法
Facebook広告の投稿は、通常のFacebookページには表示されません。以下の手順で、広告に対するコメントを確認する事ができます。
- 広告管理画面から、広告タブをクリック
- 該当の広告の「編集」をクリック
- 右上の「リンク」をクリックして「Facebookコメント管理」を選択
Facebookページにタイ語の投稿をする
Facebook広告を見たユーザーは、広告出稿元のFacebookページに移動して詳細情報や会社情報を確認することがあります。Facebookページに投稿が全くないと、広告を信用してもらう事が難しいです。
広告に対するコメントでよくある質問などがあれば、それに関する情報を個別に投稿しておくとよいです。
ランディングページをタイ語で用意する
Facebook広告の目的が「ウェブサイトでのコンバージョン(ウェブサイトへ誘導し、会員登録や商品購入をしてもらう)」である場合、ランディングページをタイ語で用意する必要があります。せっかくタイ語で出したFacebook広告経由で集客できても、ランディングページが日本語や英語だとユーザーが離脱してしまいます。
また、ランディングページは、スマートフォンでレイアウトが崩れないようにする必要があります。広告の内容にもよりますが、Facebook広告でウェブサイト集客を行うとスマートフォン経由のアクセスが多くなります。
タイの祝日を把握する
Facebook広告は、平日・土日祝日で効果が異なります。タイの祝日を把握する事によって、適切なタイミングで広告を出すことができます。
2018年の主な祝日・連休
日本に無く、タイで注目すべき祝日はソンクランです。
・4/13(金)~4/17(火):ソンクラン(※16、17は振替休日)
また、2018年より新設された祝日もあります。
・7/28(土)ラマ10世誕生日
・7/30(月)ラマ10世誕生日振替
・10/13(土)ラマ9世崩御日
まとめ
日本人スタッフのみでタイ語のFacebook広告を運用することは困難です。タイ人スタッフと協力して、広告の運用・改善を行っていくことをおすすめします。
この記事を書いた人
-
慶應義塾大学卒業。NTTドコモを経て、サイトエンジン株式会社に入社。
東南アジアでの集客やインターネット事情についての記事を執筆。
この人が書いた他の記事
- コンテンツマーケティング2018.05.03外注前に要確認、記事作成代行とクラウドソーシング使い分けのコツ5選
- タイ2018.01.09タイ人向けにFacebook広告を出稿する際の注意点
- タイ2017.12.02タイ現地のSIMカード設定方法と、便利コマンド一覧
- NEWS2017.07.14ミャンマーで日本円対応している両替所とATM利用方法