機械を使った自動翻訳は、どうしても正確さに欠けてところどころおかしな翻訳になってしまいます。
自動翻訳は精度が上がってきているものの、人力翻訳にはまだまだ及びません。
ビジネス文書など精度が高い翻訳が必要な方のために、人力のオンライン翻訳サービスを5つ厳選してご紹介します。オンラインで仕事を発注したい人と、受注したい人を結びつける仕組みをクラウドソーシングというのですが、それにちなんでクラウド翻訳サービスと呼ばれることもあります。
翻訳のレベルを選べたり、ビジネスや医療など各専門分野の翻訳を得意とする翻訳者が在籍しているサービスなど、いずれも内容が非常に充実しています。その利便性から現状翻訳会社が担当している仕事の領域を少しずつ取っていき、利用者数が拡大していくと考えられます。
当記事では主要なオンライン翻訳サービスのサイトを紹介していますので、複数を比較してニーズに会うものを選んでみてください。
目次
Gengo
「Gengo」はWeb・APIから翻訳の依頼ができる翻訳プラットフォームです。
サイトから翻訳内容を入力・アップロード、またはAPIを使って翻訳してもらいます。料金はAPIを通した方が安くなります。
合格率約7%という厳しい翻訳テストに合格したトランスレーターが翻訳をしてくれるので、レベルの高い翻訳が期待できます。
また、クオリティ、スピード、キャパシティなどのパフォーマンスから利用者の満足度までオープンデータとして公開しているので、クオリティに信頼性があります。
日本語を原文とする場合の対応言語はインドネシア語、スペイン語、タイ語、中国語(簡体字、繁体字)、英語、韓国語です。
YAQS
「YAQS(訳す)」はWEBサイト上で翻訳依頼を行い、条件に合った翻訳者を紹介してくれるオンライン翻訳マッチングサイトです。
「CASUAL(初級レベル:試験合格した翻訳者)」「STANDARD(中級レベル:経験を積んだ翻訳者)」「PRO(上級レベル:翻訳会社で活躍する翻訳者)」の3種類の翻訳レベルがあり、それぞれ料金が異なります。
「CASUAL」は1文字5円、「STANDARD」は1文字10円、「PRO」は1文字15円で、予算と希望する翻訳レベルに合わせて依頼することができます。
日本語を原文とする場合の対応言語は中国語(簡体字、繁体字)、英語、韓国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語です。
Translated.net
1999年創業のオンライン翻訳サービス業界では老舗のサイトで、13万人以上のプロの翻訳者が登録されています(2015年8月現在)。
WEBサイト翻訳、動画の字幕翻訳、ソフトウェア翻訳、AdWords翻訳、アプリ翻訳、宣誓翻訳など10種類の専門サービスと、40の専門分野の翻訳に対応しています。
対応言語は100種類と幅広く、年間4万件以上のプロジェクトを手がける実績豊富なオンライン翻訳サービスです。
老舗のオンライン翻訳サービスなので、ブックマークしておいて損はないかと思います。
対応言語が多すぎるのですべて書くことはしませんが、アイスランド語から古典ギリシャ語までもっとも多くの言語数に対応しています。
オンライン翻訳サービスのメリット
対応が早い
多数の翻訳者が依頼した仕事をチェックして対応できるかどうかをすぐに連絡してくれるという仕組みになっているので、依頼から納品までの流れがとても早いのが特徴です。
急ぎの場合に便利です。
翻訳会社に依頼するよりは安い
間に翻訳会社のコーディネーターが入らないために、翻訳会社に依頼するよりも安くなります。
翻訳会社に依頼するときには校正が入っているのは一般的だと思いますが、オンライン翻訳サービスの場合は校正・プルーフリーディングプロセスがないサービスもありますので、金額と品質のバランスを考えて適切な依頼先を選びましょう。多くのケースでオンライン翻訳サービスで済んでしまうのではないでしょうか。
連休中なども対応してもらえる
翻訳会社は弊社も含めて土日祝日は休んでいるところが多いですが、オンライン翻訳サービスであれば365日動いています。
海外出張前などに急に資料を翻訳しなくてはいけなくなったといったときに便利ですね。
対応できる言語ペアが豊富
日本語と英語から各言語に翻訳、もしくはその逆は取り扱っている翻訳会社が多いと思いますが、オンライン翻訳サービスではより多くの言語ペアに対応してくれます。
たとえば中国語から韓国語に翻訳するとか、タイ語からインドネシア語に翻訳するといったものです。
オンライン翻訳サービス利用時の注意点・デメリット
用途によっては品質チェックを行うべき
人力でやる以上、どうしても翻訳の品質にバラつきが発生する可能性がありますので、ミスが許されないような性質のドキュメントの場合、念のため翻訳の正確性をチェックをしたほうがよいでしょう。
特に印刷物などで使うような間違いが許されないようなものの場合はなおさらです。サービス提供者側で翻訳者の登録時にトライアル(テスト)をするなど品質管理の取り組みを行っているところが多いので、機械翻訳ほどひどい訳文になることはないと思いますが念のためです。
翻訳の目的から単価と品質のバランスを考えどのプランで発注するかを決める
オンライン翻訳サービスでは、品質に応じて複数のプランを用意していることが多く、文字もしくは単語あたりの料金が高ければ高いほど品質が良くなります。
翻訳の用途に応じて使い分けましょう。たとえば社内のコミュニケーションのためにメールを翻訳してほしいというような場合は、多少間違いや不自然な点が残っていたとしてもお互い確認しあえば済むので大丈夫かもしれません。
一方で、取引先と契約書を締結する際や、印刷する予定のパンフレットやカタログの翻訳で間違いがあったら大変なことになりますので、より正確性の高い翻訳が求められるでしょう。
料金プランごとに試しに少量を発注してみて、品質がどれくらいなのかを確認して、それから用途に応じて適切なプランに割り振って注文していくことをオススメします。
訳文の用語の統一ができるか確認
これはオンライン翻訳に限ったことではないのですが、大規模な翻訳を行う場合、サービスによっては翻訳者が複数名になってしまう場合があります。
そのため、固有名詞や専門用語などの翻訳の仕方が翻訳者によってばらけてしまうことがあり、注意が必要です。
特徴のある単語や表現とその対訳をまとめた用語集を作って訳文の用語を統一するという作業を行うのですが、オンライン翻訳サービスで少しずつ発注する場合はそのような作業に対応できないものもあるかと思います。
訳文を自力で校正するようにしたほうがよいでしょう。
WEBに原文と訳文が一般公開されてしまうプランがある
Conyacなどの一部のプランでは翻訳を依頼したときの原文と訳文が誰でも見られるWEBサイトに掲載されてしまうことがあります。
意図せず公開されてしまって問題にならないように注意しましょう。
弊社も翻訳サービスを提供しています
手前味噌で恐縮ですが、弊社(サイトエンジン)もクラウド形式ではありませんが翻訳の事業を行っております。
とくにタイ語、インドネシア語、ベトナム語、ミャンマー・ビルマ語、ヒンディー語、フィリピン・タガログ語、クメール語、マレー語、モンゴル語など、東南アジア言語に強みがあります。
希少言語では上記のようなクラウドでの翻訳サービスで対応できない言語もあるかと思いますのであわせてご利用ください。
無料でお問い合わせを承っておりますので、ぜひ気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
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