タイのフリーペーパーの読者の属性と発行部数

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タイフリーペーパー事情

 在タイ日本大使館2014年の統計によると、ここタイには64,285人という邦人が在住しています。ここタイの邦人コミュニティの中では、日本語のフリーペーパーが情報源としての大きな役割を担っています。
 その役割はお店や観光地の紹介に留まらず、各大学同窓会、県人会(同じ都道府県の人が集まる会)、スポーツや楽器など趣味のサークルメンバー募集、コンドミニアム売ります、アヤさん(メイドさん)紹介します…等日本人同士の交流の場として、様々な情報が掲載されています。

 そんな需要の高さに比例して、タイには数々のフリーペーパーが存在します。古いものは大衆向けが多く、新規参入のフリーペーパーは更なるニッチ市場を狙い、分野や地域を絞って参入しています。
 結果、タイにはいろいろな分野のフリーペーパーが存在し、互いに切磋琢磨した結果、紙面の情報もかなりレベルが高いです。

ビジネスマンとしてのフリーペーパーの使い方

 在タイ邦人が必ずと言って良いほど読んでいるフリーペーパー。もちろん読者として楽しむだけでなく、事業主として広告掲載し、宣伝媒体として利用できます。
 一般的に広告料は発行部数や知名度に合わせて変動しますが、自社の商品とフリーペーパーの読者層がマッチしているか確認をして広告掲載することで費用対効果を高める事ができます。

一般大衆向け

 広く一般向けの情報誌として有名なのは、月2回発行のDACO、そして週刊誌のWISEです。
 そして、タイのフリーペーパーで一番歴史が古いのが、ばんこくガイド。
 また、タイ自由ランドのようにフリーペーパーを広告塔にし、ビザや会社登記手続きなど別のビジネスに繋げていくビジネスモデルも見られます。

DACO

DACOウェブサイト
daco
創刊:1998年
発行日:毎月5日、20日発行
発行部数:24,000部(48,000部/月)

Wise

Wiseウェブサイト
wise
創刊:2006年
発行日:毎週水曜日
発行部数:30,000部/週(120,000~150,000部/月)

ばんこくガイド

ばんこくガイドFacebookページ
創刊:1995年
発行日:不明
発行部数:不明

タイ自由ランド

タイ自由ランドウェブサイト
創刊:1998年
発行日:毎月5日、20日
発行部数:15,000部

バンコクライフ

バンコクライフウェブサイト
創刊:1995年
発行日:毎月1日、15日
発行部数:10,000部

食事に特化したフリーペーパー

 やはりフリーペーパーを読む中で一番気になるのがレストラン情報。その分広告主も多いと見え、食事に特化したフリーペーパーも存在します。

バンめし

バンめしウェブサイト
バンめし
創刊:2014年
発行日:毎月1日
発行部数:30,000部

ビジネスマン向け

 タイにいる日本人でやはり多いのが製造業に従事する人たちです。バンコク日本人商工会議所に登録している邦人の、業種別会員雇用者数では製造業に従事する人が圧倒的に多く、76.3%を占めています。
 しかし近頃では、そんな日本人を顧客にするサービス業も多くなりました。
 実際、バンコク日本人商工会議所に登録している業種別会員数で言うと、製造業が49.1%、非製造業が50.6%と非製造業がわずかに製造業を上回ります。
 就業者数で言うとやはり製造業に従事する人が多いですが、企業数で言うと製造業以外の登録企業数の方が多いということが分かります。

 また、ゆとり世代というと1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれのゆとり教育を受けた世代を揶揄する言葉ではありますが、最近は熱意と行動力を持ったゆとり世代がタイで起業をするというのも一つの流れになりつつあります。

 そんなビジネスマンに向けたフリーペーパーも多様化しており、全てのビジネスマンに向けて、日本語でタイのニュース情報を提供するnews clipを始め、ターゲットを製造業従事者に絞ったU-machine、経済情報を配信するArayzなどが存在します。

news clip

news clipウェブサイト
創刊:2002年
発行日:毎月10日、25日
発行部数:16,000部

U-machine

U-machineウェブサイト
Umachine
創刊:2004年
発行日:毎月1日
発行部数:11,000部

Arayz

Arayzウェブサイト
arayz
創刊:2012年
発行日:毎月10日
発行部数 20,000部

info biz

info bizウェブサイト
infobiz
創刊:不明
発行日:毎月15日
発行部数:15,000部

女性向け

 タイに住んでいる日本人女性は、「駐在員妻」と「働く女性」に二分されます。
 最近特に増えているのがタイに渡ってくる「働く女性」。近頃は男性より女性の海外嗜好が強く、決断も早いため海外で就職する人も多くなっています。
 従って就職先としてタイを選ぶ人も増えているというわけです。
 女性をターゲットに絞ったフリーペーパーももちろん発行されています。
 Bangkok madamが代表的な例ですが、今はまだ高級嗜好でお金と時間に余裕のある駐在員向けのスパやスクール情報が多い印象です。
 群雄割拠のタイフリーペーパー市場においては、働く女性向けの記事が実はビジネスチャンスかもしれませんね。

Bangkok madam

Bangkok madamウェブサイト
bangkok madam
創刊:不明
発行日:毎月5日
発行部数:不明

Arche+

創刊:2012年
発行日:不明
発行部数:不明

Wom

Womウェブサイト
wom
創刊:不明
発行日:月末
発行部数:不明

フリコピ

フリコピFacebookページ
創刊:2011年
発行日:毎月15日
発行部数:不明

子育て世代向け

 タイ在住邦人の増加に従って、子育て世代も増加し続けています。
 近頃ではバンコクの日本人学校が既にキャパシティオーバーで、両親の勤務先がシラチャ近郊の場合、シラチャ校に通わなければいけないという規則が出来ました。
 よってもともとバンコクに住んでいたにも関わらず、シラチャ校へ転校せざるを得なくなった人もいるそうです。

 ちなみにバンコク日本人学校の全校生徒数は現在2900人。バンコク日本人学校は1956年創立の、世界で一番歴史の長い日本人学校です。
 それに対し、シラチャ日本人学校は平成21年に開校の新しい日本人学校です。この事実からも、いかにタイの子育て世代が増えているのかが分かります。

nico Labo

nico Laboウェブサイト
nico labo
創刊:2012年
発行日:毎月1日
発行部数:20,000部

地域限定フリーペーパー

 フリーペーパーの多くはバンコクで発行されていますが、競争も激化しているため、地域を絞ったフリーペーパーも存在します。
 まずは工業団地に近いため駐在員が多く、日本人村を形成しているチョンブリ県のシラチャ。
そしてロングステイの多いチェンマイです。
 邦人数では、首都のバンコク都が圧倒的に多く46,367人。次に日系企業の多いシラチャやパタヤビーチのあるチョンブリ県が5,814人。そしてロングステイヤーに人気のチェンマイ県は3,018人という数になっています。

おはよー★シラチャ+パタヤ

おはよー★シラチャ+パタヤウェブサイト
ohayo
創刊:不明
発行日:不明
発行部数:10,000部

Chao(チェンマイ県)

Chaoウェブサイト
chao
創刊:不明
発行日:毎月 10日と25日
発行部数:不明

まとめ

 これだけの情報化社会になっても、タイ在住邦人はやはり日本語の紙媒体に飢えています。タイのフリーペーパーの勢いも衰えていません。
 人々が最新号を待ちわび、タイで長く愛されているフリーペーパーだからこそ、上手く使う事で広告媒体としての効果も十分に期待できます。

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