サイトエンジンでは外国語でのライティングやコンテンツ制作をすることが多いのですが、打ち合わせのときにどうやったら海外のGoogleにヒットするようになるのかという質問をよくいただくので、
最低限おさえておきたい外国語のSEOでありがちな間違いやその解決策を紹介します。
海外向けサイトのアクセスアップにお悩みの方の参考になればうれしいです。
目次
重複コンテンツ
言語ではなく、国ごとにURLを分けているために、同じ言語で複数のページができてしまうことがあります。
たとえば、アメリカとイギリス向けのページがURLは別々で、それぞれのURLにまったく同じ英語でテキストが含まれているといった状況です。
この場合は、いずれかの国のページにcanonicalで評価を寄せるか、そもそも同じ内容のページのどちらかを消してしまったほうがよいです。
canonicalはURLを正規化するためのタグで、1つのURLだけを評価してもらうようにGoogleに伝えるためのものです。
詳しくは以下を参照してください。
正規 URL を使用する – Search Console ヘルプ
このcanonicalの対応は別にやらなくても良いとGoogleは公式ページで説明していますが、評価を複数に分ける理由が特にないなら、統一したほうがメリットが大きいです。
同じURLで言語の切り替えをしてしまう
言語切り替えのリンクをクリックしたときに、URLが同じままで、言語だけ切り替わるサイトがあります。
これだと1つの言語分しかGoogleにヒットしないようになってしまって、大きな機会損失になります。
必ず言語ごとにURLを切り替えるようにしてください。
URLの決め方は以下の記事をあわせて参照してください。
越境ECや多言語メディア運営時のドメイン、URLの決め方
グローバルSEOで失敗しないための多言語サイト構築の注意点まとめ
同じページの中に複数言語を併記してしまう
1つのページに英語、中国語、韓国語などをすべて書いてしまうのもNGです。
観光のサイトに多い間違いです。
Googleはページごとにどの言語で書かれたものかを認識しようとします。
複数言語が併記されていると、いずれか1つの言語のページとして認識されて、
他の言語での検索結果に表示されづらくなります。
以下Googleのページからの引用です。
Google では、ページの表示コンテンツのみを使用してページの言語を判断します。lang 属性のようなコードレベルの言語情報は使用しません。Google で言語を正しく判断できるように、各ページのコンテンツとナビゲーションには 1 つの言語を使用し、原文と訳文を併記することは避けてください。
多地域、多言語のサイト – Search Console ヘルプ
翻訳リソースが足りなくて英語以外の言語で英語のままにしてしまう
越境ECなどページ数が多いサイトでありがちなのですが、翻訳するリソースが十分にないために、
商品のタイトルや説明文を全部英語のままにしてしまっているサイトがあります。
全部の商品名や商品説明を翻訳するのは膨大なコストがかかりますから、一部だけを翻訳対象にするのは選択肢としてあります。
グローバルナビや購入の流れ、注意事項などの重要な部分だけ翻訳して、コストを抑えるということです。
もし英語のままのページが残っていたり、機械翻訳のページがあるようなら、そのページはnoindexを入れてGoogleに認識されないようにするか、別のページに評価を寄せるためにcanonicalを設定します。
noindexについては、詳しくは以下を参照してください。
メタタグを使用して検索インデックス登録をブロックする – Search Console ヘルプ
機械翻訳は精度によってはGoogleにインデックスさせてしまったほうがアクセスが伸びるかもしれません。
ただ、どれくらいの精度なら大丈夫なのかという基準は明示されているわけではないので、注意が必要です。
以下はGoogle公式のページからの引用です。
robots.txt を使用して、自動翻訳したサイトページが検索エンジンからクロールされないようにしてください。自動翻訳は意味が通じない場合があるため、スパムとみなされる可能性があります。また、読みにくく不自然な翻訳はサイトのイメージ低下につながる場合があります。
多地域、多言語のサイト – Search Console ヘルプ
サーバーを現地に設置しないといけないと考えている
サーバーは対象国に置かないと現地のGoogleにヒットしないのかという質問をたまにいただきます。
結論としては別にどこにサーバーがあっても、現地のGoogleにヒットさせることはできます。
Googleはサイトに含まれるコンテンツの言語で判断しているので、サーバーが別に日本に設置されていても問題ありません。
サーバーの設置場所は参考情報としては使われていますが、決定的なシグナルではありません。
サーバーの場所(サーバーの IP アドレスを使用): サーバーは物理的にユーザーの近くにある場合が多いため、サーバーの場所はサイトのターゲット ユーザーを判断する手がかりとなります。ウェブサイトは、分散 CDN(コンテンツ デリバリ ネットワーク)を使用している場合やウェブサーバー インフラの充実した国でホストされている場合があるため、サーバーの場所は信頼性の高い情報ではありません。
多地域、多言語のサイト – Search Console ヘルプ
ただ、現地にサーバーを置くことで、サイトの表示速度が早くなるなどのメリットがあります。
ページの読み込み速度をランキング決定のシグナルとして使っているとGoogleが公表しています。
海外のサーバー設置はこちらの記事にメリット・デメリットをまとめていますのであわせて参照してください。
外国語サイトで海外レンタルサーバーを使うべき理由
ドメインは現地のものでないといけないと思っていて他の選択肢を捨てている
ドメインもサーバーと同様に、Googleにとっての参考情報の1つではありますが、別に対象国のドメインを取らなくても現地のGoogleでヒットするようになります。
仮に.jpだったとしても、外国語で書かれたコンテンツを用意すれば大丈夫です。
ただ、あえて.jpという外国人にとっては馴染みの無いドメインを使う理由はないので、できれば.comなどのどの国の人にとっても使い慣れているドメインを選択したほうがよいです。
アクセス元の地域をIPアドレスやブラウザの言語でユーザーを判別して、該当の言語にリダイレクトさせる
これは必ず止めたほうが良いというわけではないのですが、もし採用するとしても、他の言語への切り替えのリンクは残しておきましょう。
アクセス元の地域をIPアドレスで判別して、勝手に言語を切り替えると、その地域の出身でない他の国籍の人が不便に感じてしまいます。
また、ブラウザの言語設定でリダイレクトするのもやめたほうがいいです。
母国語は英語でないけれども、ブラウザの言語は英語に設定している人はたくさんいます。
Googleも以下のように非推奨にしています。
ユーザーの認識言語に基づいて自動的にリダイレクトしないようにしてください。このようなリダイレクトを行うと、ユーザー(と検索エンジン)がサイトのすべての言語バージョンを見られなくなる場合があります。
多地域、多言語のサイト – Search Console ヘルプ
なお、クローキングというスパムの手法と混同されることがありますが、別にGoogleはアクセス元の地域やブラウザの言語設定で表示を出し分けることを禁止してはいません。
あきらかにユーザーの利便性が高いなら分けたほうがよいでしょう。
たとえば、日本語のように1つの国でしか使われていない言語であれば、ブラウザの言語設定が日本語になっていれば、日本語のページにリダイレクトしても基本的には問題ないはずです。
インターネットカフェとかで調べ物をしている外国人みたいな特別なケースも想定できますが、ほとんどのサイトにとってそうしたユーザー層は無視して良い比率だと思います。
まとめ
越境ECやオンライン旅行サイトなど、ページ数の多い大規模サイトを運営するなら必ず潰しておきたいSEOの間違いをまとめました。
重大な間違いが残ったままだと、いくらSEOのためにコンテンツを追加するなどの努力を積み重ねても、結果が出づらくなってしまいます。
多言語のサイトだと読めない言語が多いこともあって、全部のページを一通り把握するのも大変です。ただ、この記事であげたことは最初に確認すれば済むものばかりですので一度チェックしてみてください。
より詳しく外国語SEOについて知りたい方は
以下を参照してください。
外国語SEOで失敗しない多言語サイト構築チェックリスト
この記事を書いた人

- 代表取締役 社長
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1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。
2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。
オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。
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