近年の東南アジアにおけるEコマースの市場規模は、右肩上がりに成長中です。1年間で成長率100%を超える国も珍しくはない上、そんな爆発的な成長が今後何年も続くと予測されています。2020年には2013年時点の日本の市場規模にまで到達するともいわれており、事業展開を進めるならいまこそチャンスかもしれません。
目次
1.インドネシアとタイは狙い目
東南アジアのなかでも、市場規模の成長が著しいのは「インドネシア」と「タイ」の2国です。とりわけ前者に関してはあと数年で、東南アジア最大の市場規模を誇るシンガポールを、軽々と超えてしまうという予測が立っています。 また2018年には東南アジア全体の40%を占める規模に達するともされるので、これからEコマースを展開するのであればインドネシアをチェックしない手はないでしょう。タイに関しては同国ほどではないものの、全体の2番手につける規模に成長する見通しがあります。
2.ターゲットは若年層に
東南アジアのオンラインユーザーは、若い世代で占められています。全体の約70%が34歳以下のユーザーであり、ターゲットを選定する際はこの世代に絞ったほうがいいでしょう。内訳は15~24歳のユーザーが全体の約40%、25~34歳が全体の約30%です。 国別でみるとシンガポールのみ、15~44歳のユーザーの割合がほぼ均等になっています。ちなみにとある調査によると、男性はコンピュータをはじめとした3Cを、女性はファッションおよび美容アイテムを頻繁に購入しているようです。
着目すべきは人口ピラミッドと平均所得
市場規模はECの普及率はもちろんですが、長い目で見ればEC化率はそれほど変わらなくなるでしょうから、人口ピラミッドと平均所得のほうがマーケットサイズへの影響は大きいでしょう。
短期的に見ればスマホやECの利用率や、決済や物流などのインフラ整備の度合いで市場規模が変わってきます。
3.ユーザーはECモールで購入する
Eコマースを利用するにあたって、ユーザーはおもにECモールを利用しています。アジアのアマゾンとも称されるインドネシアの「Lazada」や東南アジア最大のファッションECサイト「Zalora」を中心に、本家のAmazonやアリババグループのTaobaoなどで購入するユーザーが多い傾向です。Lazadaは先日アリババに買収され、アリババがAmazonに先行する形で東南アジアのマーケットを抑えにいっています。
Amazonは物流などの問題からか、いまだにアジアでの展開に消極的なようで、インドネシア、タイはもちろん、おとなりの韓国にすら進出していません。
Lazada、Zaloraともに母体が大きく、ワールドワイドでの活躍が見込まれるモールであるため、単体ECサイトの参入障壁が高いのは否めません。日本国内と同様に単体ECを運営しつつも、上記モールをどう利用するかの戦略を練ったほうが得策です。
日本からは楽天が、タイ、インドネシア、マレーシア、台湾などでBtoBtoCの展開しています。
また、CtoCに近い形でのコマースも普及しています。掲示板のような場所に書き込みをして売買したり、個人でも気軽にカートを借りることができて、ネットショップをすぐにはじめられます。
インドネシアではTokopedia、タイではWeloveshoppingといったサイトがあります。Weloveshoppingはビジネスで利用している人も多いのですが、個人が気軽に何かを販売する場として使われています。
東南アジアのEコマース市場は、年単位ではもちろん日ごとに状況が変化する、まさに発展途上です。上記で触れたような予測や傾向も、何らかのきっかけで大きく転換するかもしれません。とはいえ、今後さらなる成長が見込まれるのは間違いなく、その動向を随時追っていくだけの価値はあります。いまもっとも熱い市場の可能性に期待しましょう。
東南アジアの主要なEコマース企業まとめ
タイ
Lazada.co.th(Rocketインターネットからアリババが買収)
ZALORA Thailand
Weloveshopping
TARAD.com(楽天のグループ企業)
Ensogo
Kaidee (Dealfishという名前から変更されました)
インドネシア
Tokopedia
OLX.co.id(Tokobugusという名称から変更されました。berniagaも統合)
JUAL BELI | KASKUS
Sukamart.com
ZALORA Indonesia
Lazada.co.id(Rocketインターネットからアリババが買収)
楽天インドネシア 閉鎖済み
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