SEOでは良質なコンテンツを継続的に提供し続けることがなによりも重要といわれてますが、いったいどのようなコンテンツが良質なのか、Googleはどのように判断しているのか気になっている方も多いと思います。
以下はGoogleの検索品質評価ガイドラインから抜粋したものです。
6段階の基準があり、ユーザーの役に立っているかどうかを判断しています。
Vital 必須(主に特定のサイトを探しているクエリ(ナビゲーショナルクエリ)のための評価基準)
Useful 役立つ
Relevant 関連性がある
Slightly Relevant 多少関連性がある
Off-topic or Useless 関連性がない、役に立たない
Unratable 評価できない
ユーザーの役にたつ便利なコンテンツほど質が高いとみなされて上位になりやすいというのは明らかで簡単に理解できることです。肝心なのは、役に立つかどうかというのは他のサイトとの相対的なものだということです。どれくらい1つのページ、コンテンツに力を入れれば役に立つとみなされるのかは他のサイトが提供している情報との比較で決まります。
各ページにオリジナルの文字数が何文字以上必要なのかという質問をいただくことが多いですが、文字数はたいして重要ではありません。たとえ短いコンテンツだったとしても、それがユーザーのニーズを満たすコンテンツになっていればGoogleはそれを表示させる価値があると判断するはずです。ただ、実際の運用を考えると、極端に短いコンテンツは評価されづらいのは事実なので、ミニマムの文字数は設定することが多いのですが。
できるだけ質の高いコンテンツを公開していくほうが良いというのは確かなのですが、良いコンテンツにするためにはその分時間と手間がかかるわけです。継続的にコンテンツを増やしていくことを考えると、1つ1つにどれだけのコストをかけるのかはある程度決めておく必要があります。使える資源は有限ですから、 「常に最高のコンテンツを目指して納得いくまで取り組む」 というのはビジネスとして運用しているサイトの場合には間違った判断かもしれません。ものすごく力を入れたものを一度だけ公開するならまだしも、企業としてSEOやコンテンツマーケティングに取り組んでいくときには継続してコンテンツを出し続けることが基本となるためです。同じコスト・時間・工数の中でもっとも良いコンテンツをつくるための努力をするのは怠るべきではないですが。
たとえば自社サイトのページを継続的に増やすケースを考えると、毎日1つのそれなりの品質の記事をアップする場合と、期間をかけて1つの品質の高い記事をアップする場合でどちらがよいのかという判断が求められます。金額入れて例示すると、日給30,000円の人が5日間、つまり15万円かけて1つだけつくるのと、毎日1記事ずつ作成して1記事あたり3万円で5記事つくるのはどちらがよいのかというような話です。
弊社はミニマムで1,000円くらいから、高いもので数十万円くらいでコンテンツの作成を代行しています。安い金額で大量に書くのは質が低くなるためGoogleからの評価を下げる原因になるというような話をしている会社もあるようですが、1,000円のコンテンツで効果を出せる場合ももちろんあります。
コストがサイトの流入量と比例するかは時と場合によります。特に答えがあるわけではないので都度判断するのですが、そのときの判断基準についていくつかまとめてみました。
情報の供給量から考える
情報の供給が少ない分野ほど、1つあたりのコンテンツにかけるコストは低くしてもアクセスが伸びやすいです。
誰も情報提供していないジャンルであれば、いかに安価で大量のコンテンツを作成するかが鍵になります。
逆に供給量が多く競争が激しいジャンルの場合は、1つあたりにコストをかけないと埋もれてしまいます。
誤解を恐れずに極端にいえば検索結果に何もないよりもあったほうが望ましいので、情報がないキーワードに関しては質の低いコンテンツだったとしても価値として認められやすいということです。もしウェブに誰も情報を公開していないキーワードがあったとすれば、それについて最初に説明するサイトになれば自然と上位になるわけです。
ほとんどの人が知っているような情報で、多くの人には当たり前すぎて読む価値のない情報だったとしても、それを知らない人からしたら役にたつ情報というものはあります。ある程度の情報の供給量があれば埋もれてしまって閲覧されることのない情報かもしれませんが、他社が情報の供給を開始するまでは自社で広く網をはっておくことに価値があります。このような状況ではあまりコストをかけずに大量にコンテンツを作成することの効果が高くなります。
自社の強みを活かせる独自性の高い情報をもとにした分野であれば、ほとんどコストをかけずにコンテンツをつくれるものがあるかもしれません。たとえば社内にすでにある資料を若干編集してウェブにアップするだけで多くの人の役にたてることがないかを探してみましょう。
コンテンツの用途から考える
バズらせてアクセスや被リンクを獲得することが目的なのか、SEOによる安定した検索結果からの流入が目的なのかで、どれくらいのコストをかけるべきなのかが変わります。ヒットの打率を意識してコンテンツをつくるのか、特に当たりを意識せずに少しずつ積み上げていくのかといった差です。
弊社の過去の経験からいうと、SEOによるアクセスを積み上げていく後者の形式の場合には、文章のクオリティとコストが比例しづらいです。
たとえば同じ分量の記事をライティングの経験が豊富な方に5,000円で外注した場合と、初心者の方に1,000円でお願いした場合でトラフィックに5倍の差があるかというと多くの場合でありませんので、1,000円で依頼したほうがよいということになります。
一方でバズらせる前提のコンテンツだと、書き方の様式が守れているかどうかで明らかに打率が変わってくるので、高額でもいいので経験のある人に依頼したほうが費用対効果が高いです。
目的や用途に応じてコンテンツの作り方を分けましょう。
ユーザーが求めている情報を提供し続けて見込み客を増やす手法のことをコンテンツマーケティングといいます。コンテンツマーケティングでは基本的にはバズよりも安定したアクセスの集まる方法に多く取り組むことになります。バズのほうが再現性が低く継続しづらいためです。アイデア勝負で1つのランディングページに大きなコストをかけるのは確度の高い場合のみにしてください。
コストに比例して質があがる性質のものか
コストをかければかけただけ質のあがる性質のコンテンツなのかを考えましょう。
たとえば市場調査をした結果をコンテンツとしてまとめるというような場合は、情報量がそのまま価値につながりやすいです。
情報量の多さと価値が比例するもある程度までで、たいていの場合である一定の量にまで達すると量に対する価値の変化が少なくなりますから、1つのコンテンツで情報を充実させる場合には都度どの程度まで取り組むかを決めます。
自然とリンクが集まる性質のテーマか
どんなに品質の高いコンテンツをつくったとしても、どうしてもリンクの集まりづらいテーマというものはあります。逆に簡単にリンクを貼ってもらうことができるテーマもあります。
たとえば製造業向けの特定の技術をテーマとしたページをつくった場合、それが充実していて専門家にとっては非常に質の高いコンテンツだったとしても、自然とリンクが貼られることはあまりないでしょう。一般的に法人間の取引に関連したテーマよりも、消費者向けのテーマのほうが自然とリンクを集めやすいです。
頑張っていいコンテンツをつくってもリンクをもらえない業種はけっこうあるものです。リンクを集めやすいテーマのほうがレバレッジが効くので、情報量を増やしたり、見せ方を工夫したりといったコストへのリターンが見えやすいと思われます。
時事性
時事性の高いもの、つまり時間の経過とともに価値が減少していきやすいテーマのものほど、かけるコストを抑えるべきです。
逆に長期間価値が保たれ続けるであろうものは投資する価値があります。
まとめ
状況によって1つのコンテンツにかけるべきコストは大きく変わってきますから、自社にあった適正な水準を考えてみてください。
テストを繰り返し、コストとアクセスや獲得した被リンクなどのリターンの相関を調べて、常に基準を見なおして行きましょう。
バズを発生させるコンテンツを作成する場合には打率がどれくらいになるかが大切ですが、試してみないと感覚がつかめないので、いきなり1つのコンテンツに力を入れるのではなく、まずは費用を抑えた形でできるだけ多く作成して感覚をつかむようにすることをおすすめします。
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この記事を書いた人
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1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。
2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。
オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。
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