モバイルファーストインデックスへの準備と対応方法

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SEOで影響のありそうな、モバイルファーストインデックス(Mobile First Index : MFI)について準備しておくべきこと、対応方法をまとめました。

だいぶ私の推測が含まれていますので参考までに。

そもそもモバイルファーストインデックスとは?

モバイルファーストインデックスとは、スマホの検索比率が高まっていることを受けて、いままでPC向けのページを基準に順位を決めていたものを、モバイル向けのページを基準とするように切り替えられることを指しています。

近いうちに導入予定とアメリカで開催されているウェブマーケティングカンファレンスPubConで米Google のGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)さんによって発表されました。

Googleの公式ブログでも発表されています。
Google ウェブマスター向け公式ブログ: モバイル ファースト インデックスに向けて

PCとモバイルのインデックスが分かれて別々になるわけではなく、あくまでもモバイルのほうの評価が正となるという意味です。いままではPCのほうの評価を基準に順位が決定されていましたが、モバイルファーストインデックスの導入後はモバイルの評価を基準にPCの順位も決まるようになります。

こちらにすごく詳しくまとまっています。
Google、モバイルファーストインデックスの導入予定を正式発表。スマホ向けページを検索の評価対象に。SEOへの影響は? | 海外SEO情報ブログ

Googleがモバイル ファースト インデックスを導入予定、影響は?対応は? | 海外SEO情報ブログ

モバイルファーストインデックスの対応方法

ウェブマスターが実際に何をすることになるのかをまとめています。
以下ではわかりやすくするために、モバイルではなくスマホ版サイトのように言い換えています。

スマホで一部のコンテンツを表示していない場合

いままではPCを元に順位が決まっていたので、スマホ版で表示させていないコンテンツに含まれたキーワードでもロングテールで集客ができていました。
しかし、モバイルファーストインデックスになると、表示させない部分のコンテンツはないものとみなされます。
そのため、コンテンツの分量が減ったという扱いになってしまって、そのページのメインターゲットであるキーワードの順位が下がるかもしれません。また、減ったコンテンツ部分に含まれていたロングテールキーワードでのトラフィックが減ります。

Googleがモバイル版サイトをどう認識しているかは、Fetch as Googleで、モバイル:スマートフォンを選択すればチェックできます。

fetch as Google

ウェブサイト用 Fetch as Google を使用する – Search Console ヘルプ

対策
スマホで表示させるコンテンツ分量の見直しをしてください。アコーディオン形式などにして、できるだけスマホでもコンテンツ量を維持します。アコーディオンで隠すことはユーザーのためになっていれば問題ないです。
しかし、UX的に悪くなることがあるので、CVR(成約率)低下や直帰率悪化などの弊害に気をつけましょう。

ニュースサイトなど読み物系のサイトで、長くなった記事をスマホ版だけページングしていて、URLが分かれているというような状態でも問題が発生する可能性があります。PC版にcanonicalで寄せていたときは気にしなくてよかったページングの部分が、スマホ版が評価の基準になると2ページ目以降の処理を変えるか、コンテンツを統合することを検討しなくてはいけません。

スマホ版だけページを分けている場合は、prev,nextで処理していたとしても、モバイルファーストインデックスが導入されたあとに影響を受けると思います。

prev,nextについては以下を参照してください。
コンテンツをページ指定する – Search Console ヘルプ

PCとスマホでURLを分けていて、canonicalでPCに寄せている場合

canonical とは、URLの正規化、つまりGoogleの評価を1つのURLに統一するためのタグのことです。
詳しくは以下のGoogleの公式ページを参照してください。
使用する URL を rel="canonical" リンク要素で指定する
別々の URL  |  Mobile Friendly Websites  |  Google Developers

PCのほうにcanonicalで評価を寄せている場合には、スマホ版が評価されていないということなので、モバイルファーストインデックスの導入後は逆にする必要があるかもしれないと考えていたのですが、どうやら不要のようです。

対策
canonical の切り替えについては、何もしなくてもGoogle側で勝手に判別してくれるようです。ただ、実際に順位がどうなるのかは切り替わったあとでないとわからないので、実装されたタイミングで特に気をつけて監視したほうがよいでしょう。
サーチコンソールにPC版URLしか登録していない場合は、スマホ版がちゃんと登録されているかを確認してください。

現状ではURLをわけないで統一するほうがメリットが大きいですので、これを機会に統一するのも検討するとよいでしょう。工数はかなり大きくなりがちですが。

内部リンクの構造がスマホとPCで異なる場合

デザインの制約から、PCでは大量にあった内部リンクを、スマホでは見せないようにしているサイトも多いです。モバイルファーストインデックスが導入されたときに、スマホ版がPC版と比較して内部リンクが大きく減っていると、評価に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。

対策
内部リンクの分量があまりにも少ない場合には、ある程度PCに近づけることを検討してください。ハンバーガーメニューなどでデザインの見た目はそれほど変わらずにリンクを入れることもできます。
大規模サイトではすべてのリンクをPCと同じだけ入れるのは無理があるので、別途クローラビリティを確保するための工夫が必要になります。Googleのbotがすべてのサイト内部のページをスムーズに見つけられるような内部リンクの構造にします。
たとえば、AmazonがPC版でページ中部に複数のパンくずを置いていたりしますがああいった内部リンクの工夫や、サイトマップをこまめに送信するようにするなど。

構造化データをモバイルで省略している場合

このシチュエーションはあまりないかと思うのですが、
ただの抜け漏れや何らかの理由で構造化データをスマホで省略している場合があります。

対策
スマホ版のほうにも構造化データを追加します。
正常に追加されているのかは以下のツールで確認できます。
構造化データ テストツール

そもそもスマホ対応していない場合

スマホから問い合わせや発注されることはないだろうというごく一部のBtoBサイトなどでは、スマホ向けのデザインをそもそも作っていないことがあります。

また、単純に人員が足りていない、コストをかけられないといった理由でスマホ用デザインがないサイトもあるでしょう。

ユーザーの大部分がPCを使っているようなサイトでも、モバイルファーストインデックスが導入された後は、スマホ向けのインターフェースを用意しておかないとおそらく順位が下がります。
競合がスマホ対応していたときに、そちらが優遇されるようになってしまうためです。

なお、別にモバイルファーストインデックスが導入されたからといって、スマホ対応していないサイトが検索結果から消えるわけではありません。
PC版だけしかないサイトも引き続き検索結果に表示されます。

対策
いますぐスマホ対応の準備をはじめてください。コストをそれほどかけられないという方はレスポンシブ対応にして、PCとスマホの更新にかかる工数が増えないようにします。ただ、レスポンシブよりも独自のデザインを練って用意したほうがCVR(成約率)などは高くなります。

スマホで閲覧できない要素が残っている場合

サイトのスマホ対応が完了している場合はこれは発生しないと思います。
スマホ版のデザインを用意しておらず、Flashなどのスマホ環境で利用できないものがサイトに含まれていると、マイナス評価の影響になってしまうかもしれません。

対策
FlashなどのPCでしか動作しない要素は利用をやめてください。

スマホ版をGoogle botに見せないようにしている場合

あまりないケースかと思いますが、Googleのbot(クローラー)がスマホ版へアクセスすることを禁止していると、大きく順位が下がってしまう、そもそもインデックスされなくなるなどの危険性があります。

対策
Google bot がスマホ版にもアクセスできるような設定になっているかrobots.txtなどを確認しましょう。
robots.txt テスター

外部リンクの評価について

リンクの評価についてはまったく言及がなく、今のところどうなるのかわかりません。
モバイルファーストインデックスによってリンク評価の重み付けがスマホサイトからのリンクに寄るという可能性はありえなくはないかなと思いますが、まだわかりません。

したがって、現時点では外部からのリンクについて特に対応のしようがないです。
導入後にリンクの評価がどう変わったのかを分析する必要があります。

まとめ

スマホとPCで大きく内容を変えているサイトや、そもそもスマホ版用意していないサイトは早めにどう修正するのかを検討したほうがよいのではないでしょうか。

なお、Googleの方が質問を受け付けてくださっているようなので、曖昧な点があればこちらで聞けるようです。

まだどうなるか確定していないようですので、実際に導入されたあとか、Googleからの追加の発表があったときには、当記事も追記や修正をします。また、間違いがあったらご指摘いただけるとうれしいです。

参考ツール

モバイルフレンドリーテスト

構造化データ テストツール

robots.txt テスター

Google公式サイト以外の参照ページ

当記事を書くにあたって主に、鈴木さんのブログ記事と、以下の3記事を参照しました。

Google、モバイルファーストインデックスを公式発表、SEO への影響は? ::SEM R (#SEMR)

Google begins mobile-first indexing, using mobile content for all search rankings

More Details on Google's Mobile First Indexing Change for Search Results

この記事を書いた人

毛塚智彦
毛塚智彦代表取締役 社長
1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。

2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。

オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。

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