SEOで抑えておきたいGoogleの手動ペナルティ解除方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

相談をいただくことが増えてきましたので、Googleから手動ペナルティの通知や警告を受けた場合の解除の方法、手順について解説します。
Googleウェブマスターツールのヘルプにある程度の対処方法が書いてあるのですが、それだけでは情報が足りていないというか、解決できない箇所がありますので一部補足で説明しています。

新しい手動ペナルティ対象の分類ができたときには随時追加、更新していきます。

まずはウェブマスターツールで原因を特定する

複数の原因がありますので、まずは原因を特定しましょう。ウェブマスターツールのサイドバーから、「検索トラフィック」→「手動による対策」で状況を確認することができます。

手動による対策

この画面で原因が表示されます。「サイト全体の一致」と「部分一致」があります。サイト全体の一致の場合はすべてのページが手動でペナルティを受けている状態で、部分一致は特定のディレクトリ内だけなど一部がペナルティを与えられています。

原因ごとのペナルティ解除方法

原因がわかったらそれぞれ解除のための方法が異なりますから、都度対策しましょう。
手動による対策 – ウェブマスター ツール ヘルプによると、本記事の執筆時点では以下の9項目があります。

サイトへの不自然なリンク – リンクへ影響する対策を実施

自作自演のリンクなど、不自然なバックリンクを検出されたときに表示されます。この表示が出た時にすることは以下のとおりです。

1.バックリンクの洗い出し

まずは自分のサイトに貼られているリンクをできるだけ多く見つけます。Googleウェブマスターツール内でも「検索トラフィック」→「サイトへのリンク」で閲覧できます。ただし、ウェブマスターツールではすべてのリンクが表示されるわけではありませんので、洗い出しが不十分です。そのため、Majestic SEOAhrefs Site Explorer & Backlink Checkerなどの外部ツールを使ってバックリンクのリストを作成します。

2.バックリンクの精査

バックリンクをできるだけ多く見つけ出してリストにしたら、次に行うのはリンクの精査です。残すべきものと、削除するべきものを分類します。

削除するべきものには、

過去に自らリンクを貼った明らかにSEO目的の自作自演のリンク
外部で自動生成されたような品質の低いサイトからのリンク
SEO会社に依頼したときに貼られた運営サイトのテーマとは関係ないサテライトサイトからのリンク

などがあります。

このとき注意しなくてはいけないのは、自分たち作っていない勝手に貼られてしまったバックリンクにも対応しなくてはいけない点です。Googleは勝手に貼られたリンクは評価しないようにしているから逆SEOは発生しないため問題ないと説明をしていますが、他者が勝手に貼ったリンクでもマイナスに作用することはあります。不自然なバックリンク用サイトがどのようなものかは人力で簡単に判別できますが、それらのサイトを誰が運営しているかは判別できませんのでGoogleにも区別のしようがありません。

また、過剰にペナルティを恐れて、問題のないリンクを外さないようにしましょう。たとえば、会社のサイトのトップページから運営しているサービスのサイトへリンクを1つだけ貼るのは不自然な行為ではないので大丈夫です。やり過ぎると問題になりますので、そのリンクを貼る行為がユーザーのためになっているかを検討してください。

3.自作自演のリンクを外す

まず簡単にできるのは、自作自演のバックリンクを外すことです。不自然だと感じるリンクは一気にすべて取り除いてしまいましょう。少しずつ試すと時間が余計にかかりますから、すべて外すくらいの気持ちで取り組んでください。

4.外部にリンクを外してもらえるよう依頼する

過去に依頼していたSEO会社や、リンクを貼ってきた非常に質の低いサイトの運営者などに連絡して、リンクを外してもらえるように依頼しましょう。対応してくれるかどうかは依頼方法によっても変わってきますから、どのように依頼するかをよく考えてください。
ブログや掲示板などの書き込みをした本人がわかるようであれば、まずは直接連絡してみましょう。もし連絡先がわからなかったり、連絡をしても無視されてしまうときには、サービスの運営者に個人情報開示の請求をしたり、削除依頼をしてみてください。
サイト運営者の個人情報は当たり前ですが、妥当な理由がないと開示してもらえません。

上記をいろいろと試してみて駄目なら詳しい弁護士を通して連絡するという方法もあります。ただ、弁護士でもリンクをただ外したいというためにページや書き込みの削除をできるかというと、できないこともあります。誹謗中傷されていたり、個人が特定されている書き込みがあったりすれば削除依頼と請求をして対処できますが、ただリンクを貼ってあるだけの状態を無理やり削除させることはできないでしょう。

5.リンク否認ツール(disavow tool)を使う

ウェブマスターツール内のリンクの否認ページから、どうしても外せなかったリンクをGoogleに伝えます。

リンクを否認する – ウェブマスター ツール ヘルプで有効なファイルの形式が紹介されています。

リンクの否認ツール

頑張りましたがどうしても外せなかったので許してくださいとGoogleにお願いするためのツールです。まったくリンクを外す努力をせずにいきなりリンクの否認ツールで申請してもペナルティが解除されることはないです。

6.再審査リクエストをする

ウェブマスター ツール – 再審査をリクエストから、再審査をリクエストします。返事があるまで気長に待ちましょう。

ハッキングされたサイト

ハッキングされたサイトに関するウェブマスター ヘルプ – Googleを参照して対策してください。
原因を特定し、脆弱性をきちんとつぶしておかないと再発しますので気をつけましょう。

価値のない質の低いコンテンツ

手動ペナルティでよくある原因です。むかしページを増やせば簡単にトラフィックを伸ばすことができた時代に大量に生成したページが残っていて、そのせいでペナルティを受けてしまっているという状態です。

よくあるページの例としては、

・他サイトの情報をコピー、引用したページ
・外部サイトをスクレイピング(コピー)して商品名、物件名、会社名などの固有名詞を元にして大量生成したページ
・該当ページ数が少ない、もしくは他とリンク先が重複しているタグページ
・ヒット数の少ない検索結果ページ
・地域名の箇所だけ入れ替えた地域別ページ

などがあります。

1.「サイト全体の一致」と「部分一致」のいずれなのかをウェブマスターツールで確認する

サイト全体の一致なのか部分一致なのかをウェブマスターツールの「検索トラフィック」から「手動による対策」をクリックして確認してください。
一部の場合にはディレクトリなどが指定されていますので、その箇所のペナルティを解除するために作業すればよいです。

2.ページに価値あるコンテンツを足せないかを検討する

まずは価値の低いとみなされたページに価値あるコンテンツを追加することができないかを検討しましょう。
たとえば、47都道府県のページを作っていて、ただ単に県名のところだけを置換して作成したページなどに、それぞれの都道府県のユーザーにとって役にたつ情報を追加するといった作業をします。

3.ページを統廃合する

ページにコンテンツを足すのとあわせて、細かく分割されすぎている複数のページを1つのページにまとめることを検討してください。

4.ページを削除する

ある程度以上の規模のサイトになると、ページが多すぎて1つずつコンテンツを足す対応をするのは難しいです。
ユーザーの役に立たないページは思い切って消して減らしていきましょう。

5.noindexやnofollowを追加する

価値は低いけれどもユーザーの利便性を考えると残しておいたほうがいいページもあります。そういった場合にはそれらのページにnoindexを追加してください。

さらに、それらのページへの内部リンクにnofollowを追加します。ただ、インデックスはさせないけれどもクローラーを下層にきちんと回すためにあえてnoindexが入ったページを活用するという状況もありますので、都度判断してください。

悪質なスパム

ワードサラダ(自動で単語を組み合わせて文章を生成する)
クローキング
他サイトからのコピー

などが該当するようです。まっとうにサイトを運営している方にはほぼ関係ない話だと思います。

ユーザー生成スパム

ユーザーのコメント、投稿などでサイトの内容とまったく関係ないものが多数投稿されると表示されます。宣伝のためにまったく関連性のないサイトへ大量にコメントスパムするサイトがありますが、そういったサイトのターゲットになってしまっている状態で発生します。

まず、スパム投稿ができないようにサイトの機能を見直します。掲示板がほとんど宣伝だけで埋まってしまっているなど、あまりにもひどい状況であればその機能自体をなくしてしまうことも検討してください。
次に、スパム投稿をすべて削除します。サイト内を横断的に検索するための機能がないサイト運営者の方は、「site:example.com キーワード」などで検索して不自然な投稿を探してみましょう。
スパムに該当する投稿の削除が終わったら再申請します。

クローキング/不正なリダイレクト

Googleと一般ユーザーに見せる内容を露骨に変えるとペナルティの対象となります。SEOを目的としてGoogleだけにはよりSEOに適したページを見せるといった行為が該当します。スマホ向けページへのリダイレクトや表示切り替えなどで間違った設定をしてしまってトラブルになっている例をたまに見かけます。

ただし、アクセス元のIPを見て同じURLでも表示させる内容を変更するといったことは許容されています。
どのくらいまで見せる内容を変えていいかというのは状況によって違うでしょうから、都度判断します。

隠しテキスト/キーワードの乱用

この対処は簡単です。
1.CSSでテキストを隠す、背景色と同じにする、文字サイズを極端に小さくするといった見えないテキストを無くす

2.キーワードを詰め込み過ぎているときに減らす
などの対策があります。

悪意を持っているわけではなく、意図せずCSSなどでキーワードを隠してしまっていることもあります。自社でサイトを管理していない場合には製作会社に確認してみましょう。

これが原因でペナルティを受けている方はサイト全体を見なおして作りなおすことを検討されたほうがよいかと思います。
修正が完了したら再審査リクエストします。

スパム行為のある無料ホスト

無料のホームページスペースなど、他者が運営しているドメイン内でサイトを運営しているときに、そのドメイン内の他のユーザーがスパムばかりしていて、ドメイン全体がペナルティを受けて巻き添えになってしまうというケースです。

運営者に連絡してなんとかしてもらうという手段もありえなくはないと思いますが、基本的にはどうしようもないので、残念ですがサイトの移転を検討しましょう。301リダイレクトができるサービスであれば評価をある程度は引き継げます。

リダイレクトが難しいサービスの場合には、
1.すべてのコンテンツを新URLに移してから過去のものを消す
2.すべてのコンテンツを新URLに移して、過去のものも残す
3.以降の追加分のページだけを新しいドメインで運用する

といった方法があります。1はいままでのリンクの評価をリセットすることになります。2は重複コンテンツの問題があり、新しいほうが評価されづらくなります。3は新しいドメインに少ししかコンテンツが掲載されないことになってしまいます。
それぞれメリットデメリットありますので、都度判断してください。

まとめ

放置していても自然に戻ることはありませんので原因を見つけ出して早めに対策しましょう。Googleが問題のあるバックリンクのURLを例示してくれるなど、少しずつ詳しい返事をくれるようになりつつありますので、じっくりと取り組めばいつかは解除できるでしょう。

どうしても解決できない場合には、あまりオススメはしませんが最終手段としてドメインを変更するなどといった方法もあります。ユーザー数などのサイトの規模が大きくなく、ページ数も少なく、自然なバックリンクの資産がまだ少ない場合には選択肢の1つとなります。

弊社でも相談を受け付けてますので急に順位と売上が下がって困っているという方はお気軽にご連絡ください。リンクの精査や外部サイト運営者にリンクを外すよう依頼する作業など、人手がかかる部分を代行いたします。

この記事を書いた人

毛塚智彦
毛塚智彦代表取締役 社長
1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。

2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。

オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。

記事作成の無料お見積り依頼、ご相談はこちら

お問い合わせ - サイトエンジン株式会社
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。