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外国語SEOで失敗しない多言語サイト構築チェックリスト

弊社ではタイ語、ベトナム語、インドネシア語、英語、中国語など、
日本語だけでなく様々な言語を対象にしたサイト構築や
コンテンツ制作に取り組んでいます。

外国語ライティング・校正サービス

ほとんどの国で利用されている
検索エンジンはGoogleなので、
同じような対応をすることになります。

基本を抑えてきちんとすべての言語のページを
Googleに認識させることが大切です。

この記事では、検索エンジンに正しく情報を認識してもらいつつ、
複数の言語に対応したSEOを行う上での注意点をまとめています。

越境EC、外国人観光客の集客用サイト、海外進出時に現地の人に販売するためのサイトなど、
これから海外市場を対象にしてインターネットで
ビジネスをしようと検討している方は、
チェックリストとして抜け漏れ防止のために活用してください。

1.言語ごとにそれぞれに独自のURLをつける

言語ごとにそれぞれ別のURLを割り当てる必要があります。
これは必須です。

同じURLのまま言語だけ切り替わるといった
作り方にしてしまうと、いずれか1つの言語のURLしか
Googleに認識してもらうことができません。

また、日本語の文章とそれを英訳したものを
同じページに両方掲載するのもよくありません。

同じページに複数言語が記載されているのは、
そもそも読者にとってわかりづらいですし、
Googleも推奨していません。
かならずページ内に書く文章は
1つの言語に統一してください。

なお、URL構造については以下のページによくまとまっています。
Google ウェブマスター向け公式ブログ: 多地域向けウェブサイトの構築

以下の表は上記記事からの引用です。

こちらの表にまとめられている以外のSEOに関する短所長所をあげますと、
独自ドメイン(ccTLD)はドメインの評価が分散されてしまうという短所がありますが、
一方でリスクが分散されるという長所があります。

たとえば翻訳の質が低い状態で、
アルゴリズムのアップデートによってドメインの評価が
下げられるようなリスクが想定されるときに、
1つのドメインに集中させているとすべてが影響を受けてしまいますが、
それぞれの言語でドメインを分けていれば、
質の低い翻訳をしている言語のサイトのみが影響を受けるだけで済みます。

またサーバーやドメインに関するトラブルなどで、
サイトが一時的に見られなくなったときに
売上の規模が大きくなればなるほど、
1つのドメインに依存していたときの
悪影響が大きくなります。

2.特に理由がなければドメインはわけない

基本的には同じドメイン内でサブディレクトリを用意して、
言語ごとにURLを切り替えることをおすすめしています。

言語ごとに別のドメインに分割したり、
サブドメインを設定することは多くのサイトで
避けたほうがよいです。

なぜかというと、ドメインを1つに絞っておいたほうが、
ドメインのオーソリティー(評価)が高くなって
サイトのページ全体が上位に表示されやすくなるためです。

ただし、すごく規模の大きなサイトの運用をするときや、
商圏が明確に定義されている店舗ごとのサイトなど、
ドメインを分けたほうがよい状況もあります。

ドメインを分けて、サーチコンソール内の「設定」という箇所から
地域ターゲティングの設定をすることで特定の国を
対象にしていることをGoogleに示すことができます。

なお、.jp や .co.jp のような国に紐付いている
ドメインを利用している場合には、
自動的にGoogleが地域との関連性を
判断してくれますから設定する必要はありません。

詳しくは以下を参考にしてください。
インターナショナル ターゲティング – Search Console ヘルプ

外国語サイトのドメインやURLの決め方について考察した記事がありますのであわせてどうぞ。
越境ECや多言語メディア運営時のドメイン、URLの決め方

3.重複コンテンツの処理を行なっておく

たとえば国ごとにそれぞれURLを割り当てて、
同じ内容のページをつくっていったとします。

すべての国のページが異なる言語に翻訳されていれば問題ないのですが、
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど
英語を使っている国を複数対象にしている場合には、
ほぼ同じ内容の英語のページが多数できてしまうことになります。

Googleは重複したコンテンツを含んでいるページが
多数あるとサイトの評価を下げる傾向にありますから、
同じ内容しかないURLがいくつもできてしまっている場合には、
rel="canonical"  というページの評価を1つに統一するために、
Googleが推奨しているタグをhead内に設定する必要があります。

分けなくては行けない場合に参考にしてください。

詳しくは以下を参照してください。
正規 URL を使用する – Search Console ヘルプ

4.機械翻訳は避ける

機械翻訳は読んで意味を理解するためであれば、
いくつかの主要言語間の翻訳に関しては精度が高くて
かなり使えるのですが、サイトでSEOをするときには
今のところは使わないようにしてください。

機械翻訳を使うと、文法の間違いがとても多い文章ができあがってしまいます。

それをサイトでそのまま使うと
Googleから質の低いコンテンツを公開している、
もしくはスパム行為をしているとみなされて
悪い評価を受けてしまいます。

また、ユーザーも文法や単語が間違いだらけのサイトには
不信感を抱くでしょう。

もし機械翻訳を使う場合には、
機械翻訳を使った言語のページを
Googleに認識させないようにしてください。

meta noindex の記述を headセクション内で行うか、
robots.txt でディレクトリを指定して
クロールを制御して対象外にするといった方法があります。

メタタグを使用して検索インデックス登録をブロックする – Search Console ヘルプ

robots.txt ファイルについて – Search Console ヘルプ

5.ただ翻訳するのではなく、現地の市場を調べてそれを反映させる

ただ翻訳するのではなく、現地でより使われている言葉がないかを
探しながら適切なキーワードを選択することが望ましいです。

Googleキーワードツールや辞書などを使って、
類語の中でより検索されているワードや、
競争が少なそうなワードがないかを探しましょう。

できればネイティブスピーカーにキーワードの
洗い出しをしてもらってください。

言語ごとによく利用されているキーワードを
調べるのは結構な手間がかかりますが、
ただの直訳で済ませてしまうと、SEOが上手くいって
上位に表示されたとしてもアクセスが
全然集まらないといったことになりかねません。

キーワードの洗い出しをするときには
Googleの提供しているキーワードツールはもちろんですが、
シソーラスなども便利です。

たとえば以下のサイトではキーワードを入力すれば
そのキーワードの類語を調べることができます。
Thesaurus.com

たとえばwebsiteと入力すると、
以下のようなキーワードが表示されます。

キーワードの探し方は以下の記事もあわせて参考にしてください。
SEOやコンテンツマーケティングで使える8つのキーワードの探し方と選定方法
YouTubeやAmazonなどGoogle検索以外のデータ元からSEOで使えるキーワードを調べる方法

キーワードを選んだあとは肝心のコンテンツ制作です。
国や地域によって適切な説明の仕方が異なる場合もありますから、
翻訳ではなく現地のライターに記事執筆を依頼したほうがよいこともあります。

日本語で書かれた説明を翻訳するだけで
現地の人にもわかりやすい内容になるかを
考えて、翻訳かライティングかを選びましょう。

6.すべてのページを全言語に翻訳しようとしない

すべてのページを対応している全言語に対応させる必要はありません。
翻訳にはコストがかかりますので、
特に重要なコンテンツから順番に翻訳していきましょう。

あえて翻訳するページを絞って、
質の高い翻訳や国ごとの追加のコンテンツを
用意します。

すべてのページを翻訳するのが
正しいとは限らないです。

大胆なくらい削り、必要最低限で
試すのをおすすめしています。

以下の例では「会社概要」や「よくある質問」の
ページは除外しています。

売るときに必要なのは、商品紹介ページだけなので、
会社概要やよくある質問などをすべて翻訳するのは
やめて、商品紹介ページの最下部に少し追記するといった
対応をします。

これはあくまでも一例なので、
このやり方が常に正しいわけではありません。
ただ、これくらい思い切って減らすことを
考えてください。

できるだけ多くの言語に対応させるために
翻訳を大量に行うよりも、
市場が大きそうな少数の言語に投資を集中させて、
良い翻訳や新規コンテンツを用意していくことをおすすめします。

この例だと、100万円の予算があった場合に、
2言語で50万円ずつ使うパターンと、
10言語で10万円ずつ使うパターン
を記載しています。

予算規模、目的や目標などに応じてどちらが良いかは変わってきますが、
多くのサイトで少ない言語に集中させて
投下するほうが成功する可能性は高いでしょう。

2言語ではなく10言語に分割することは
単純に翻訳できる文章量が
5分の1になるわけではありません。

サイトの構築や訳文の流し込み、
管理運用などのコストも言語ごとにかかるため、
実際に翻訳にあてられる費用は
5分の1以下に削減されてしまいます。

7.専用のタグで対象国を知らせる

rel="alternate" hreflang="x" というタグを
headセクション内に使うことで、
同じ言語を使っているが対象としている国が違う状態を
Googleに知らせることができます。

以下の例では、アメリカ、イギリス、カナダの3つのページがあったときの例です。
それぞれのページの右側に記載のある
hreflangのタグを設定しておくと、
他の国のページをGoogleに伝えることができます。

品揃えや通貨や納期など、
国によってサイトの内容が違う場合には、
canonicalなどで評価を統一せずに、
国ごとのページをそれぞれGoogleに認識してもらいます。

また、異なる言語でページを複数運営していて、
他の言語で対応しているページを伝えるのにも使えます。

言語や地域の URL に hreflang を使用する – Search Console ヘルプ

headセクションに書くのではなく、
サイトマップを使う方法もあります。

サイトマップを使用して代替言語ページを指定する – Search Console ヘルプ

8.Googleマイビジネスに住所を登録する

もし各言語圏で支店や支社があるようでしたら、
Googleマイビジネスに登録してください。

住所とサイトが紐づくことで、その場所の近くで
検索されたときに上位になる可能性が高まります。

検索位置によってユーザーごとに検索結果が変わる傾向は、
先日発表されたGoogleのベニスアップデートなどでより顕著になりつつあります。

今後スマホでの検索の比率がますます高まっていくことを考えると、
住所の検索順位への影響はより大きくなっていくのではないでしょうか。

9.言語別にXMLサイトマップを作成してウェブマスターツールに登録する

サブディレクトリであっても
言語別にそれぞれXMLサイトマップを作成し、
ウェブマスターツールに登録しましょう。

特にページ数が多い規模の大きなサイトで有効な施策です。

10.言語切り替えのリンクは用意する

グローバルナビやフッターの部分など、
サイトのわかりやすい位置に言語切替のリンクを設置しましょう。

ユーザーのIPアドレスやブラウザの言語設定などで
振り分けている例をたまに見かけますが、
それをしていたとしてもちゃんと言語切り替えのリンクは用意してください。

IPやブラウザの設定で判別して振り分けた先が
本当にユーザーにとって適切なページになっているとは
限らないためです。

過去に弊社のタイ人やインドネシア人のスタッフが
日本からアメリカのサービスにアクセスして、
日本語に勝手に切り替わってしまって使うのを
あきらめている例がありました。

まとめ

Googleにそれぞれのページで扱っている言語を
適切に伝えられるようにすることが
多言語サイト構築の基本です。

サイトの設計段階でしっかりと複数言語対応を前提としておくことで、
あとから余計な修正の手間が発生することを防げます。

国ごとにサイトの運用担当者が異なる場合もあるかと思いますが、
サイトの設計はグローバル全体で決めるようにすることをおすすめします。

それぞれの国で個別に違う設計をして、
違うやり方でサイト運営やSEOを進めている状態は
資源の無駄使いになっているかもしれません。

全世界で統一すれば、
同じことを社内で2回することを防げますので
工数やコストの削減につながります。

サイトエンジンでは、
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外国語での記事執筆の外注先で
お悩みの方はぜひお声がけください。

ある程度まとめて、もしくは継続的に
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無料でSEOに適したサイトを構築するための
アドバイスをしております。
このブログに書かれているよりも
実践的な内容を知りたい方におすすめです。

参考サイト

より詳しく知りたい方は以下を参考にしてください。

多地域、多言語のサイト – ウェブマスター ツール ヘルプ

FAQ: Internationalisation – Google Webmaster Help(英語ページ)

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外国語でのSEOについては以下の記事もあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

毛塚智彦代表取締役 社長
1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。

2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。

オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。