記事作成代行とコンテンツマーケティングのサイトエンジン

タイ進出の理由と、ASEAN近隣国との比較によるメリット・デメリット


弊社では約3年前にタイに関連会社を設立しまして、日本企業のタイでのウェブマーケティングを支援する事業や、タイの現地企業向けのSEO、リスティング広告といった事業を行なっています。多くの方に視察にお越しいただくのですが、毎回ほぼ聞かれる質問が、「なぜアジアの中でタイを選んだのか」というものです。

当記事では弊社がアジアの中で最初の海外進出先としてタイを選んだ理由と、タイでビジネスするメリット・デメリットを近隣の東南アジアの国と比較し、できるだけ新しいデータを引用しつつ説明したいと思います。これからアジアに進出するにあたってどの国にしようか迷っている方や、タイ進出を検討されている方の参考になればうれしいです。

最初にタイに進出した理由

弊社が最初にタイに進出した理由は以下の2点です。

オフショアではなく現地のマーケットを狙っていた

日本の仕事をタイに流すアウトソース先としての使い方は考えておらず、現地のマーケットを対象にしていました。そのため、インフラが整っており、経済が進んでいる国を選ぼうと考え、複数の東南アジアの国を比較してタイを選びました。
シンガポールやマレーシアは人口が少ないので検討対象から外し、中国、韓国、台湾などはもう遅いと考え外し、残りで比較しました。

タイに関する知見があった

創業メンバーの1人はタイで働いていたことがあり、ある程度現地の事情を把握していました。筆者も2週間だけではありますがタイ北部のチェンマイの工場で働いていました。なので、社内で2人がタイの雰囲気を知っていたことになります。
現地で働いていたことがあるという点は、進出にあたっての不安感を薄めるには十分な効果があったと思います。

タイ進出のメリット

インフラが整備されている

インターネット接続や携帯の電波、クレジットカードといったネット関連企業としては業務に直結したインフラももちろんですが、交通機関や小売店などの生活していくうえでのインフラもタイは進んでいます。
特に交通インフラはBTS、MRT、バスと充実しているので、他よりもだいぶ進んでいます。

人口がそこそこ多く、1人あたりGDPが高い。つまり内需が大きい

タイは人口7,000万人弱で、1人あたりGDPも高いです。シンガポール、ブルネイ、マレーシアにつぐ水準です。
内需を狙うのに適している国です。

ASEANの国別人口(2011年)

ASEANの国別名目GDP(2011年)

ASEANの国別1人あたりGDPの比較(2011年)

上記は外務省のサイト内の目で見るASEAN ASEAN経済統計基礎資料 アジア大洋州局地域政策課(PDFファイル)から引用

なお、バンコクに限って言えば1人あたりGDPはさらに高くなります。

みずほコーポレート銀行 都市別一人当たり GDP と主観的評価によるアジア各都市比較分析より引用

ハブとなる立地

バンコクは空路で中東やアフリカなどに行くのにも適した世界のハブとなる立地です。
2014年に完了する予定の南部経済回廊の整備により、バンコク、カンボジアのプノンペン、ベトナムのホーチミンが結ばれ、さらに物流事情がよくなる見込みです。

日系企業、日本人が多い

日系企業の数がとても多く、日本人が10万人ほどいると言われてます。日本人向けのお店がたくさんあって便利です。何かあったときに先を走っている日本人に相談させてもらいやすいといったことや、日本人相手のビジネスをしやすいというのもメリットだと思います。逆に言うと、日本人が誰も取り組んだことがない分野が少ないということでもありますが。

以下のページによると、盤谷日本人商工会議所・中小企業支援委員会、ジェトロバンコク事務所、JODCバンコク事務所、タイ国商務省などからリストを集めた結果、タイ国内の日系企業は合計で6200社だったそうです。

中小機構:経営支援: 中小企業が過半占める ―タイ進出日系企業を初めて協同で実態調査―

タイ進出のデメリット

物価や人件費は高め

物価や人件費についてですが、他の東南アジアの国と比べると、シンガポールやマレーシアよりは安く、ベトナム、フィリピン、インドネシアよりは高いという状態です。要はASEANの中で中間くらいなのですが、日本とくらべればはるかに安いです。だいたい5分の1くらいの感覚です。

タイはオフショア開発の拠点として使うにはむいてません。ベトナムやフィリピンやインドネシアといったより安価でかつ英語が得意な国があるためです。

JETRO資料(PDFファイル)より引用

資金力に応じて、マーケットサイズやインフラと物価のバランスを見て進出するとよいと思います。
最近日本ではベトナムやインドネシアへの進出がよく話題になってますが、タイで事業をしている人たちの中ではミャンマーやカンボジアのほうが話題にあがることが多いように感じます。

ある程度まとまった資金があって、数億から数十億の投資をできる会社であれば、物価が高くてもインフラが整備されていて、マーケットのサイズもでかい中国や韓国のようなところに行くという選択肢もあると思うのですが、あまり資金が潤沢でないので、中国や韓国に行くには競争が激しく、市場が進みすぎていると考えて候補から外しました。

英語が苦手

弊社はベトナムでも関連会社を設立しているのですが、タイよりもベトナムのほうが英語を話せる人が多いです。飲食店の店員やタクシーの運転手などのビジネスの現場以外での日常生活で話す相手の英語のレベルもタイは低いです。フィリピンは公用語になっているのでいわずもがなですが、ベトナムやインドネシアとくらべてもタイの英語力は劣っていると思われます。タイ人は日本人と同じくらい英語を話せないです。

人口の伸びしろがない

タイは東南アジアの中では高齢化が進んでいるほうの国です。他の国と違って人口はあまり伸びて行きません。
そのため、一定水準まで経済発展したあとは、伸び率が鈍化してくるでしょう。

上記はJETRO資料(PDFファイル)より引用

最後に

これからタイやアジアに進出を検討している方の参考になればうれしいです。

サイトエンジンでは、ネイティブによるタイ語の翻訳サービスを提供しています。
契約書やマニュアルなどの翻訳を承ります。

https://jpthai.com/

タイ関連のその他の記事

タイへの進出を検討されている方はぜひあわせてご覧ください。

タイにおける2013年のスマートフォン利用者数、普及率の予測

タイのEコマース事情とネットショップ開業のための参考サイト紹介

タイの市場調査レポートやマクロデータを閲覧できるサイトまとめ

この記事を書いた人

毛塚智彦代表取締役 社長
1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。

2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。

オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。