和食が世界文化遺産に登録されるなど、日本の食が海外で高く評価されています。
ひいき目なしにみても、日本の食は世界に通用するクオリティを持っていると感じます。
そこで今回は、海外進出に多数の店舗を展開するCoCo壱番屋、吉野家、味千ラーメンといった日本の外食企業3社がどのような戦略で成功したのか、紐解いていきたいと思います。
日本のカレーの味を貫くCoCo壱番屋
カレーチェーン店のCoCo壱番屋は手広く海外進出をしていて、中国、香港、台湾、韓国、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、アメリカ、ハワイに店舗を構えています。
日本のカレーは海外でも人気で、CoCo壱番屋はグローバルなカレーチェーン店として成功しています。
中でも中国、台湾、タイでの出店数が多く、カレー文化が根付いていない中国にいち早く出店することで中国進出に成功しています。
2013年には「世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店」としてギネス世界記録に認定されました。
カレーはインドをはじめとする東南アジアを発祥とする食べ物ですが、日本では日本人の好みに合わせた独自のカレーが広まっています。
海外進出する際はその地域の食文化や好みに合わせることがありますが、CoCo壱番屋は日本独自のカレーの味で勝負することで現地のカレーと差別化を図り、日本のカレーのブランド化に成功しています。
日本米を使用するなど日本のCoCo壱番屋の味を海外でも提供していて、トッピングを好みで選べる楽しさがウケています。
海外出店時は日本独自のカレーの味が受け入れられるかという不安があったと思いますが、日本のカレーの味を貫くことで見事に成功させました。
アメリカとハワイの店舗数はまだ少ないですが、アメリカ人にも日本のカレー、CoCo壱番屋のカレーは好評で、アジア以外の地域でも成功する可能性を秘めています。
海外限定メニューで成功した吉野家
大手牛丼チェーン店・吉野家は、現地の嗜好に合わせた海外限定のメニューで成功しています。
たとえばアメリカの吉野家では「照り焼きチキン丼」「温野菜丼」「コンボ丼(牛丼・照り焼きチキン丼・温野菜丼盛り)」や、丼にドリンクとクッキーが付いているなど、日本の吉野家にはない海外限定メニューがあります。
台湾では温卵牛丼にバジリコをトッピングした「ジェノベーゼ牛丼」など、現地の嗜好に合わせたメニューをいろいろ用意しています。
味を変えないことで成功したCoCo壱番屋とは反対に、吉野家は現地の嗜好に合わせることで成功していますが、吉野家もベースとなる日本の牛丼の味は変えていないので、変えるべきではないところと変えた方がよいところをしっかり区別しています。
中国出店を成功させた味千ラーメン
味千ラーメンは熊本県の小さなラーメン屋ですが、海外12ヶ国と地域に800店舗以上展開しており、そのうち大部分を中国での出店が占めています。
味千ラーメンの名は中国で広く知られており、中国では吉野家よりもメジャーな日本の飲食店です。
海外進出で大成功を収めている味千ラーメンですが、最初の海外出店となった台湾では失敗しています。
現地のオーナーに味のこだわりを伝えきれず、味千ラーメンのオリジナリティをなくしてしまったことで失敗してしまいました。
その失敗から学び、次の香港では現地オーナーが味千ラーメンの味のこだわりを理解してくれたため、日本の味千ラーメンの味のまま出すことができました。
ラーメンの味は変えずに、現地の嗜好に合わせてメニューを変えることで海外進出を成功させています。
吉野家と同じで、変えてはいけない味は徹底してこだわり、サイドメニューなど現地の人が好むメニューを用意することで幅広い人に支持されています。
中国ではテーブルにたくさん料理を並べて食事をする習慣があるため、サイドメニューを充実させることで中国の食文化に馴染ませているそうです。
まとめ
海外出店に成功しているCoCo壱番屋、吉野家、味千ラーメンに共通していることは、ベースとなる味は変えていないことです。
吉野家、味ラーメンは現地の嗜好に合わせてメニュー構成やサイドメニューをアレンジしていますが、ベースとなる商品の味はしっかり守っています。
海外進出を成功させるには、商品力の根本である「味」をしっかり守り、ブランドを確立させることが大事だと言えます。
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