中国では「金盾」と呼ばれる政策によりインターネット検閲が行われていて、検索禁止キーワードを含む検索はシステムによってブロックされてしまいます。
「ニコニコ動画」や「LINE」など日本発のサービスやアプリも中国では検閲の対象となっており、自由にアクセスできない状況となっています。
金盾とは一体なんなのか?
どういった規制が行われているのか?
中国のインターネット検閲・金盾について解説したいと思います。
中国の金盾とは?
中国政府は1993年に情報化政策として金字工程(別名:12金工程)という国家プロジェクトを打ち立てました。
金字工程では金卡(電子貨幣)、金財(財政管理)、金橋(公用経済情報)といった「金」を頭文字にもつ12のプロジェクトが立案され、その中に金盾(中国語読み:ジンドゥン/日本語読み:きんじゅん)と呼ばれる情報化された検閲システムも含まれています。
金盾は有害サイトのブロック、インターネット通信の接続規制、個人情報の管理、個人のアクセス情報の監視、などを行っており、当初は2008年に完成予定でしたがプロジェクトが遅れています。
金盾のグレート・ファイアウォール(防火長城)
グレート・ファイアウォール(防火長城)は金盾プロジェクトに導入されているファイアーウォール機能の名称です。
中国国内外で行なわれるインターネット通信の接続規制、遮断を可能とする検閲システムで、インターネット上の情報を統制・管理しています。
「天安門事件」「法輪功」「チベット問題」「反共問題」「台湾問題」「中国共産党」といった中国政府にとって都合が悪いキーワードを含む検索が行われると、グレート・ファイヤーウォールの検閲にひっかかって検索結果を閲覧できないようになっています。
WEBサイトやブログだけでなく、ウィキペディア、Twitter、Facebook、YouTubeなども監視・ブロックの対象となります。
黒名単(ブラックリスト)の対象となっているサイトは閲覧不可で、ブラックリストに載っていないサイトも禁止ワードが含まれていればブロックされます。
金盾を破ることは中国では法律違反となるため、政治思想に関するキーワードは検索しても知りたい情報が得られない状態となっています。
ニコニコ動画も規制対象に
中国では2010年12月ごろから日本の動画共有サービス「ニコニコ動画」に対する規制が始まったとされています。
天安門事件の報道映像を視聴することができないなど、グレート・ファイアウォールによるネット検閲の対象となっています。
台湾版は早くから視聴できないようになっていましたが、日本版の「ニコニコ動画」も規制の対象となってしまいました。
反中国に関する動画が規制されるなど、検索の検閲と同様の規制が「ニコニコ動画」に対しても行われています。
中国のニコニコ動画版にあたる「ビリビリ動画」でも規制が行われており、日本アニメが次々と削除されて、多くのアニメ作品が視聴できないようになっているとのことです。
LINEも規制対象に?
台湾で2015年6月30日に無料通話・メールアプリ「LINE」への接続ができなくなり、翌7月1日には中国でもLINEの接続ができない状態となりました。
中国政府は技術的問題により「LINE」の接続が遮断されたと説明していますが、金盾のグレート・ファイヤーウォールによる検閲ではないのかという声が上がっています。
「LINE」に不正にアクセスして本人になりすますLINE乗っ取り詐欺との関連性も噂されており、詐欺対策として中国で検索禁止キーワードとなっている「天安門事件」を「LINE」で相手に送れば良いという噂が広まったため規制されたという推測も出ています。
「LINE」だけでなく、中国発のメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」でも規制が行われており、特定のキーワードを含むメッセージは送信することができないようになっており、個人間のメッセージのやり取りまで規制の対象となっている状況です。
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