JNTO(日本政府観光局)主催による、第17回インバウンド旅行振興フォーラムに参加して、インドネシア市場についてのプレゼンを聞いていたので、印象的な箇所をレポートします。
全市場中、伸び率は1位
インドネシア人の訪日数は2015年の205,083人から、2016年には271,000人となった。
伸び率にすると32.1%となり、これは国籍別の成長率では1位だった。
人口も非常に多いですし、これから所得も上がっていくでしょうから今後も高い成長率が期待できそうです。
97.6%がすでにFIT
FITとは、Foreign Independent Tourの略で、パッケージツアーや団体旅行ではなく、個人で航空券やホテルを予約して自由に日程を決めてする旅行のことです。
旅行博での訪日旅行購入者へのアンケート調査によると、ランドチケットの購入のみが38.0%、航空券のみが57.9%となっています。
ランドチケットとはホテルやJRパスやテーマパークチケットなど、日本に到着してから使うものを予約することを指しています。
97.6%もの人がFITということは、ツアーで来るインドネシア人は少ないということです。
旅行会社はFIT商品を2016年から積極的につくるようになり、FIT化に拍車をかけているそうです。
中華系が65.4%
インドネシア人で日本に旅行にくる層は、まだ中華系のほうが多いようです。
ただ、少しずつプリブミ(インドネシア原住民を指す)の比率が上がってきてはいます。
訪日旅行者の中では宗教もキリスト教のほうが多い
インドネシアといえば東南アジア最大のイスラム教の国ということで有名ですが、訪日旅行者の中での宗教比率は、実はキリスト教が多いようです。
旅行博において、訪日旅行商品購入者にアンケートした結果によると、
キリスト教 56.4%
イスラム教 29.5%
仏教 13.9%
ヒンズー教 0.1%
となっています。
イスラム教がダントツで多いという認識がありましたが、実はキリスト教のほうが上でした。
ただ、プリブミの比率の高まりとともに、宗教の比率も少しずつイスラム教が増えているようです。
インドネシア人約2.5億人のうち、2.2億人がムスリムです。
そのため、今後もムスリムの比率は上がり続けるでしょう。
ムスリム対応がカギ
ムスリム向けの訪日旅行商品はあまり種類がなく、ゴールデンルートや北海道などの有名な場所に限定されてしまっています。
ムスリムといっても人によってかなり差があります。
厳格なムスリムは安心感を求めてムスリム専用の団体ツアーに申し込みますが、寛容なムスリムはツアーで値段が高くなるくらいなら、ハラルなどをそれほど気にせずFITで旅行先を決めるようです。
とはいえ、これから需要の伸びに対してムスリム受け入れの供給が追いつかなくなるのは見えているので、
ムスリム向けにハラル認証をとっている施設を中心としたツアーをつくったり、飲食店でハラル対応をしておけば、集客が見込めるのではないでしょうか。
関連記事:
インドネシア人観光客の動向、市場概況レポートを公開しました
この記事を書いた人
- 海外情報を中心に、海外でのマーケティング、外国人の集客や接客に役に立つ記事をお届けしていきます。
この人が書いた他の記事
コンテンツマーケティング2018.05.23コンテンツ制作の予算作成 作業範囲と料金相場 コンテンツマーケティング2018.05.15コンテンツ制作を代行会社に発注する前の準備 コンテンツマーケティング2018.03.06記事作成、編集とコンテンツマーケティングの記事まとめ コンテンツマーケティング2018.03.01読者はネイティブ? 英語の記事作成で書き分けの目安となるスコア