ターゲットとする国を選んでから、どうやったらその国でよく売れるようになるかを考えるときに、やっておくとスムーズになる一次情報の収集方法をまとめます。
現地の政府や業界団体が出しているマクロデータや、どこかの会社が調べたレポートだけを参考にして事業を開始するのは危険です。数字の正確性があまり高くないかもしれません。あと、数字が古くなっていることが多いです。変化の早い業界では、数年前のデータを見ると誤った判断につながりかねません。
現地で実物を見て、誰かに話を聞かせてもらうことで、成功する確率を上げられると考えています。
目次
現地に行ってみる
その国に訪問したことがない、その国の人たちと話したことすらない人たちだけで集まって、どうやって現地で売れるかを考えても上手くいかないでしょう。
せめて一度は現地に訪問してみて、売ろうとしているものを取り扱っているお店に行ってみることをおすすめします。
競合商品にどのようなものがあるか、どんな種類があるか、価格帯はどれくらいか、どんな人が手にとっている/購入しているかなど、得られる情報はいろいろあります。
お客さんに会ってみる
あなたの会社がすでに海外展開をしていれば、現地で商品を使ってくれている人たちにインタビューをしてみましょう。
使っている人を見つける方法ですが、もし現地の小売店に卸しているようなら、店舗で待機して買ってくれるのを待つというアナログな方法がもっとも早いです。インタビューで謝礼を出すと伝えれば、時間を取ってくれる人もいます。
リサーチ会社に依頼して使っている人だけを集めてもらうということもできます。
ただし、この方法は現地である程度知名度のある商品でないと難しいでしょう。
展示会に参加する
現地で展示会に参加してみると、どんな商品が売られているのかがわかるのでおすすめです。
その場で担当者から商品の特徴やどんな利用方法をされているかをヒアリングすることもできるので便利です。
一度にたくさんの会社の話を聞けるのでてっとり早く情報収集できます。
現地の会社にアポをとって話を聞きに行く
現地の同業者にアポをとって話を聞かせてもらうのも有効です。日系企業ではなくローカルの企業に話すことをおすすめします。
直接的な競合になる場合はアポを断られることもあるかもしれませんが、意外と皆さん快く話をしてくれます。
30社くらいの同業者に連絡して、5-10社くらいに1時間ずつ話を聞かせてもらえば、だいぶ現状がわかります。
会社のホームページを探して直接連絡しても会ってくれる会社もありますが、もし知り合いでその業界で働いている人がいれば紹介してもらうのもよいでしょう。
会議室でヒアリングさせてもらうだけでなく、会社、工場、倉庫、店舗など、現場を視察させてもらうことで得るものがあります。
飲み会、ミートアップに参加する
現地で同業者が集まって飲み会が開催されていることがあります。日系企業だけで集まっている例が多いですが、できればローカル企業がたくさん参加しているイベントのほうがよいです。
非常に有意義な情報交換の場になります。
もし伝手がなくても、Meetupというオフ会を開催するためのサイトがあって、地域と業種によってはイベントを探せます。特にIT系は探しやすいです。
和僑会のような日本人現地在住者が集まる場もあります。現地に住んでいなくても参加できるイベントがありますから、参加して現地で生活している人たちに話を聞くのもよいでしょう。
大学の同窓会に参加する
一部の大学では海外に同窓会の支部があります。
都市名と大学名の組み合わせで検索してみましょう。
同じ業界の人とは限らず、さまざまなタイプの仕事をしている人と話を聞けるのがメリットです。業種だけでなく年代の幅もあります。
日本人の人口が多い都市でよく開催されています。
毎月やっている大学もあるようです。
試しに発注してみる
現地の会社に何か作ってもらうために試しに発注してみましょう。
最初は少額で試して品質や対応の良さを確認するのをおすすめします。
- メールの返信がすぐに来る
- 納期を守ってくれる
- 期待した品質に達している
などを見て、まともな会社を探すのが本来の目的なのですが、複数の会社に発注してみることで業界全体の平均的なレベルを推測することに繋がります。
工場で何か作ってもらう、制作や開発などのサービスを提供してもらうといったことのハードルが高ければ、仕入れをしてみるのでもよいです。別に現地にオフィスがなくても取引はできますので、進出する前に現地の会社と取引してみるとよいです。
また、インターネットで何らかの商品を販売したいと考えている場合には、実際に現地の競合となるサイトでいくつか注文してみることをおすすめします。
海外まで配送してくれる会社であれば自分で注文してみて、もし国内の住所にしか届けてもらえないようであれば誰かにお願いして代わりに購入してもらいます。購入までのページをキャプチャしておいて、遷移がわかるようにしておくと、あとで見直すときに便利です。
実際にECサイトで注文を体験することで、以下のようなことがわかります。
- 注文までの流れ、サイトの使いやすさ
- 注文完了後にどのようなメールが届くか
- 注文から商品到着までの日数
- 梱包の状態、同梱しているチラシなどがあるか
- 商品の状態
- リピートを促すDM、メルマガ、ステップメールの有無と内容
オークションやフリマアプリ、売買用の掲示板などで、中古の商品がどれくらいの分量、いくらぐらいで流通しているかもチェックしてみると相場観がわかって便利です。
まとめ
外国人に向けて何かを売るときには、ターゲットとしている国の人をチームに入れて事業を進めていくことが望ましいですが、それができない場合はせめて自分で一次情報を取りにいきましょう。
業界や調べる対象によって効率的な方法は違います。
さまざまな方法を試して、どれが一番スムーズに情報収集できるか調べてください。
この記事を書いた人
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1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。
2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。
オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。
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