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訪日外国人観光客の決済手段まとめ


写真:銀座のビットコインでの支払いに対応しているお寿司屋さん銀座沼津港

訪日外国人観光客の対応で、多言語対応、決済手段の拡張、ソーシャルメディアへの対応などが重要だと思っているのですが、このうち決済手段についてどんな方法が現在あるのかを調べてみました。

2016年の訪日者数は2403万9千人で、訪日外国人消費額は3兆7476億円でした。

2016年の訪日外国人消費額、3兆7476億円 過去最高を更新  :日本経済新聞

政府は2020年までにこれを4000万人、8兆円まで上げる計画です。

訪日外国人客倍増、消費額8兆円に…政府新目標 : 東京五輪 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

2017年は5月までの累計数で1,141万1千人で、最短で1,000万人を突破しました。
前年同月比で21.2%伸びており、このペースで順調にいけば2020年に4,000万人は突破する伸びペースです。

日本政府観光局 訪日外客数(2017 年 5 月推計値)

これから数年で3.7兆円から8兆円に市場が拡大することが予測されているわけなので、この流れに対応しないのはもったいないと思います。

クレジットカード

代表的な決済手段のクレジットカード対応はしておいたほうがよいでしょう。
三井住友カード株式会社の調査によると、アメリカ・イギリス・韓国ではクレジットカード、デビットカードでの決済の比率が50%を超えている国が多いなか、日本は14&とかなり遅れています。

端末を置くのに初期費用がかかって、手数料もけっこう取られるということで対応に躊躇しているお店は多いのではないかと思います。
最近は簡単にクレジットカード決済を導入できるサービスが増えてきましたので、どんどん手間や初期投資は小さくなっています。

たとえば以下のようなスマホで使える決済サービスがあります。
Square (スクエア)|スマホでカード決済・POSを始める
楽天ペイ(実店舗決済): スマホで導入カード決済・アプリ決済(店舗様向けサイト)
Coiney(コイニー)- お店の決済をかんたんに。 | Coiney
Airペイ|スマホ・タブレットでクレジットカード・電子マネー決済を簡単導入
食べログPay(食べログペイ) – スマホでクレジットカード決済[食べログ]
CAFIS Arch | CAFIS 総合
Anywhere 概要 | リンク・プロセシング

最短で翌営業日に入金されるサービスもあります。
手数料とならんでクレジットカード導入の問題点であった入金の遅さが改善されています。

カード対応している場合、使えるブランドを記載しておくのが親切です。
銀聯カードのロゴだけレジの前に貼ってあると、銀聯カードしか使えないかと勘違いされかねません。
VISA、アメックス、MASTER、Diners、JCBなど、使えるブランドはすべてわかるようにしておきましょう。

どうしても難しいという場合には、近くでクレジットカードで日本円を引き出せるところを案内できるようにしておくと親切だと思います。

ゆうちょ銀行、セブン銀行、シティ銀行などが海外クレジットカードで日本円の引き出しができるATMを設置してますので、
セブンイレブンなどで現金がなくてもカードがあれば日本円を引き出せるようになっています。

決済サービス

中国では日本以上にスマホを活用した決済が浸透しています。

日本でいうLINEのようなメッセージアプリのWechat(微信)が提供するWeChat Pay(ウィーチャットペイ 微信支付)、中国最大手のEコマースのグループであるアリババが運営しているAlipay(アリペイ 支付宝)などが代表的です。
中国人観光客の支払いは銀聯カードが一時期有名でしたが、
デビットカード・クレジットカードよりもWeChat PayやAlipayのほうが便利ということもあって、
同じかそれ以上に使われています。

WeChat Payは日本でいうLINEのようなアプリであるWeChatが提供している決済サービスで、急速にユーザーを増やしています。

Alipayがダントツだったところに競合として登場してシェアを伸ばしていっている状態です。

Alipay、WeChat Payともにスマートフォンに専用のアプリをダウンロードして、銀行口座の情報を紐付けます。
支払いはQRコードを読み込んでします。クレジットカードと違って、決済のタイミングですぐに銀行口座から引き落とされます。

日本にも導入を支援している会社があります。
NIPPON PAY(ニッポンペイ)|WeChat Pay や Alipay などのマルチ決済サービス
訪日中国人旅行客、インバウンド消費の集客・店舗決済ならWeChat Pay
中国EC向け決済 Alipay(アリペイ) | GMOペイメントゲートウェイ

仮想通貨・暗号通貨


写真:ビットコインのATM

ビックカメラがビットコインでの支払いに対応したというのがニュースになっていましたが、今後も仮想通貨での支払いに対応する店舗が増えていくでしょう。

米ドル、中国元、ユーロなどを両替所で日本円に換えて支払いするよりも、持っているビットコインで支払ったほうが手数料が安くて得だという状態になれば、急速に普及する可能性があります。

両替所やホテルで仮想通貨を日本円に換えるサービスも増えていくでしょう。
現金を持ってこなくても、オンラインで仮想通貨を保有していて、スマホがあれば日本円を受け取れることになって便利です。

ATMに仮想通貨を送ると日本円を受け取れる、逆に日本円を入れると仮想通貨を買えるというサービスも六本木、西麻布、銀座あたりに複数あります。

空港内にATMを設置するという動きもあるようです。
ピーチ、ビットコイン決済導入へ 仮想通貨で中国人客取り込み

仮想通貨から日本円に両替するだけでなく、
訪日観光客が帰り際に余った日本円で仮想通貨に換えたいというニーズもあります。

両替所


写真:秋葉原駅前の両替店

観光地に両替屋が増えてきています。ちなみに弊社は秋葉原駅の近くにありますが、秋葉原の周辺だけで大黒屋、三井住友銀行の両替所、ヨドバシアキバに併設されている両替専門店などがあります。

レートは場所によってかなり違うため、場所によっては不利なレートで両替せざるを得ない状況にあります。
特に空港にある両替所はレートが悪いことが多く、観光客は街中に出てから両替したいと考えています。ただ、地域によっては両替所が非常に少なく、。

オンラインでの事前決済

可能性としてはかなりあるのに取り組んでいるところが少ないと感じるのは事前決済です。
店頭でクレジットカード、電子マネー、仮想通貨、WeChat Pay、Alipayなどで支払ってもらうのではなく、あらかじめ支払いを済ませてから来店してもらう流れです。

ホテルや航空券の予約サイトでは当たり前の仕組みになっていますが、ほかでも応用できると思います。

オンラインで事前に支払いをしてから、店頭で商品を受け取る、現地でのオプショナルツアーに参加するといった仕組みはこれから増えていくのではないでしょうか。

現状はどうなっているか

現状では現金の利用が9割以上の人が現金を使いつつ、クレジットカードも50%強の方がつかっています。
銀聯カードのようなデビットカードは15%弱です。一方でWeChat PayやAlipayのような支払い方法はそもそも計測対象にすら入っていません。
その他(トラベラーズチェック、Edy等)に含まれているのかもしれませんが、よくわかりません。

また、利用する金融機関はATMがトップです。

上記のグラフ2つは以下から引用しています。
観光庁 訪日外国人消費動向調査「平成29年1月~3月期」

ビザ・ワールドワイドの調査によると、東京の評価をしたときに、ショッピングや支払い・両替の部分に不満を持っている人が多いようです。

訪日外国人による、東京の魅力と課題を徹底分析 魅力は便利な交通網・アクセス、安全性! 課題は、支払いやお金の入手方法

日本の受け入れ体制・インフラが未整備で、選択肢が少なくなっていることで、不便に感じている人が多いと推測できます。
クレジットカードや決済サービスを使いたくても使えないという訪日外国人観光客が多いということです。

比較的両替所が多い東京でこの状態ということは、ほかのエリアではさらに不満を感じている観光客が多いのではないでしょうか。

最後に

ある程度外国人観光客が来ているとわかっているお店の場合、決済手段の多様化と免税対応は進めておいたほうが、お客さんにとっての利便性が高くなります。

スマホやタブレットで簡単に導入できる初期投資が小さい決済手段が増えてきていますので、外国人旅行者の来店を増やしたい方は新しい支払い方法を検討してみてください。

この記事を書いた人

毛塚智彦代表取締役 社長
1985年生まれ。2007年早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。

2008年サイトエンジン株式会社を設立しました。
学生時代にSEOを販売する代理店でテレアポと営業のアルバイトを始めたところからデジタルマーケティングの仕事に携わり続けています。

オウンドメディアの構築時の戦略立案や運用などを担当しています。
サイトエンジンではコンテンツマーケティングを中心に新規のリードを獲得し続け、累計800社以上とお取引させていただいています。