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訪日外国人対象の観光ガイドも活発に
「訪日外国人旅行者2,000万人時代」と呼ばれる今。東京都を始め、日本全体で外国人観光客をサポートする動きが活発になってきています。
そんな外国人観光客の方が日本に来て、最も苦戦することのひとつが「言語の壁」。言葉が全く異なる国で、情報を見つけたり観光するのって難しいですよね。
ただ実は、訪日外国人の方を対象として、無料で東京の観光案内をしてくれるボランティアガイドグループが存在しています。中にはガイドになるために資格試験に通過しなければならないものも。
本記事では東京都で、外国人向けの無料観光ガイドを行っているガイドグループの情報をまとめました。外国人の友人の方などに教えてあげると良いかもしれません。
※注:多くの団体がボランティアによって運営されているため、ガイド費用は無料でも、交通費や入館料、食費などがゲスト持ちとなる場合があります。内容や何が無料なのかを、事前に必ず確認することをお薦めします。
東京の無料観光ガイドサービス10選
1.おもてなし東京(東京都観光ガイドサービス)
- ガイドの登録件数: 1,300人(2015年4月現在)
- ガイドの平均年齢・男女比率:不明
- 対応言語: 英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語(内容による)
- ガイド日時: 月曜日〜金曜日(観光ガイドサービス・都庁は10時〜15時)、金曜日〜日曜日(街なか観光案内)
- ガイド場所: 都内10ルート(観光ガイドサービス)、都庁、新宿駅西口・上野駅周辺(街なか観光案内)
- 事前予約: ガイドサービスは必要、街なか観光案内・都庁は不要
- ガイド採用試験: あり(現在は募集なし)
東京都公式の、東京観光財団のWebサイトです。 ニュースなどで一時期話題になった、「おもてなし東京」のボランティアの他、10箇所の行き先から選べる都内観光ガイドサービスを行っています。
観光ガイドサービスの場合、ガイド費用は無料ですが、交通費などの実費はかかるようです。新宿案内・都庁案内は無料なので、新宿を観光してみたい人には良さそうです。
オリンピックの影響もあり、「おもてなし東京」の街なか観光案内のボランティアの方も週末にかけて活動をされているようです。日本に来たら、とりあえず新宿駅西口か上野駅に行って、観光ガイドマップをもらって説明をしてもらうのも良いかもしれませんね。
2.TOKYO FREE GUIDE
- 設立: 2004年
- ガイドの登録件数: 329人(2015年5月時点)
- ガイドの平均年齢: 47歳
- 男女比率: 男性3割(27%):女性7割(73%)
- 対応言語: 英語(292人)・スペイン語(42人)・イタリア語(13人)・フランス語(10人)・韓国語(6人)等
- ガイド日時: ゲストが希望を出せる
- ガイド場所: 東京およびその近郊にて、ゲストの希望に沿って案内してくれる(ただし交通費などはゲスト持ち)
- 事前予約: 必須
- ガイド採用試験: あり
東京都の公式観光ページにも紹介されている、NPO法人「TOKYO FREE GUIDE」。2014年には5,023人のガイド実績があるそうです。 ルートがガイド側指定ではないところも、観光客にとってはありがたいかもしれませんね。
3.TOKYO SGG CLUB
- 設立: 1983年
- ガイドの登録件数: 153人(2015年5月時点)
- ガイドの平均年齢・男女比率: 不明
- 対応言語: 英語
- ガイド日時: 年中無休(9時30分〜17時)
- ガイド場所: 浅草・上野の同行案内
- 事前予約: なし
- ガイド採用試験: 入会審査・応募資格あり(英検2級相当以上)
東京都の公式観光ページにも紹介されている、東京SGGクラブ。SGGとは、Systematized Goodwill Guide(善意通訳=ボランティア精神による外国人のための情報案内サービス)の略称だそうです。
4.TOKYO FREE WALKING TOUR
- 設立: 2008年
- ガイドの登録件数・ガイドの平均年齢・男女比率: 不明
- 対応言語: 英語(Webサイトは中国語あり)
- ガイド日時: 毎週土曜日13時(約2時間)
- ガイド場所: 東京駅・丸の内のオフィス街・皇居東御苑
- 事前予約: なし
- ガイド採用試験: なし・オリエンテーション参加
会員以外の日本人の方でも、外国人観光客もしくは日本在住の外国人の同伴であれば、参加ができるようです。土曜日以外にもたまに開催日程があり、トップページのカレンダーからスケジュールを見ることができます。
5.SHINAGAWA SGG GOODWILL GUIDE
- 設立: 2004年
- ガイドの登録件数: 76人(2015年4月現在)
- ガイドの平均年齢・男女比率: 不明だが、定年を迎えた方が多いとの記載あり
- 対応言語: 英語
- ガイド日時: ゲストが希望を出せる
- ガイド場所: ゲストが希望を出せる
- ガイド採用試験: あり
こちらも自宅から観光地までの交通費や食費などは、ゲスト負担と記載があります。 原則2週間前までに依頼があったものを対象としているそうです。
6.江戸東京ガイドの会(TOKYO GUIDE ACTIVITIES)
- 設立: 2006年
- ガイドの登録件数: 約80名(東京都公式観光ページより)
- ガイドの平均年齢・男女比率: 不明
- 対応言語: 英語、フランス語、スペイン語、イタリア語など
- ガイド日時: ゲストが希望を出せる(問い合わせはEmail)
- ガイド場所: ゲストが希望を出せる(問い合わせはEmail)
- ガイド採用試験: あり
ガイドの詳細等があまり見つけられなかったのですが、こちらも東京観光財団のページで紹介されています。
7.CAPITAL TOKYO WEST SGG CLUB
- 設立・ガイドの登録件数・ガイドの平均年齢・男女比率: 不明
- 対応言語: 英語、フランス語、イタリア語
- ガイド日時: 毎日9:30~16:30
- ガイド場所: ゲストが希望を出せる(問い合わせはEmail)
- ガイド採用試験: 不明
こちらも同様、交通費や入館料・食費に関しては依頼するゲストが支払うよう記載があります。
8.PIPS JAPAN
設立2014年の、学生ボランティア団体です。ボランティアは、国際交流に興味のある中学3年生から大学生から構成されているそうで、同世代の人と交流したい外国人の方にとってはぴったりかもしれません。
9.TOKYO Student Guide Group
団体の詳細は不明ですが、Facebookページからガイドの様子を見られます。 こちらも学生さんがガイドになっています。大学生同士の交流に良さそうですね。
お問い合わせはFacebookのメッセージから受け付けているようです。
※追記:Webサイトもありました。英語Webサイト
10.日本赤十字ボランティア
赤十字のボランティアによる観光ガイドです。外国人の障がい者の方向けの観光案内が無料で行われているそうです。
おわりに:
こんなにも沢山の方が無償でボランティアガイドをしていらっしゃることに、正直驚きました。ガイドをしている方には、英語の練習を目的としている方や、ただ世界中の人と触れ合うことを楽しみにしている方もいらっしゃるそうです。
「英語対応可」と書いていても、ネイティブレベルの会話力を期待するのではなく、国際交流やローカルの人と楽しむのを第一の目的にしてもらうのが良いでしょう。
英語を勉強している方や国際交流が好きな方、観光ガイドになるのも良いのではないでしょうか。日本を案内することで、より自分の国の文化や歴史に対して理解が深まる良い機会になると思います。
この記事を書いた人
- 1988年生まれ、香川県出身。東京大学法学部を卒業後、2013年よりフィリピン・セブ島の語学学校「NexSeed(ネクシード)」の立ち上げに参画、サービスマネジメントとマーケティング全般を担当。