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インバウンド観光でどの言語のホームページやパンフを作成すべき?英語・中国語以外で主に世界で使われている外国語のまとめ

今年も日本への外国人観光客の数は増え続けています。インバウンド観光に関わる仕事をされている方々にとって、英語・中国語での対応はもう必要不可欠のようになってきていますが、それ以外に世界ではどんな外国語が主に使われているのでしょうか。

一方でインターネットの発展、世界中の人の移動の便利さの発展など、この数年でもめまぐるしくいろんなものが変化しています。実際に世界での言語のシェア、使われ方、今後の見通しはどんな感じなのか。少し調べてみました。

1.ネイティブスピーカーの数

第1位:中国語(北京語)(8億8500万人)
第2位:英語(4億人)
第3位:スペイン語(3億3200万人)
第4位:ヒンディー語(2億3600万人)
第5位:アラビア語(2億人)
第6位:ポルトガル語(1億7500万人)
第7位:ロシア語(1億7000万人)
第8位:ベンガル語(1億6800万人)
第9位:日本語(1億2500万人)
第10位:ドイツ語(1億人)
第11位:中国語(呉語)(9100万人)
第12位:ジャワ語(7500万人)
第13位:韓国語(7500万人)
第14位:パンジャブ語(7300万人)
第15位:テルグ語(7300万人)
第16位:フランス語(7200万人)
第17位:マラーティー語(6500万人)
第18位:タミル語(6500万人)
第19位:イタリア語(5700万人)
第20位:中国語(広東語)(5500万人)

出典; Tripadvisor, http://gigazine.net/news/20130217-most-spoken-language/

母語(ネイティブスピーカー)の数で言えば、中国語(北京語)のシェアが依然圧倒的です。

一人っ子政策を続けてきた影響で人口増加は鈍化すると言われていますが、それでも 首位の座は当分ゆるぎそうもありません。

2位はやはり英語。アメリカは世界の先進国の中で、移民の増加等があり、唯一人口増加が続いています。3〜6位はスペイン語、ヒンディー語、アラビア語、ポルトガル語と、それぞれ人口増加国・地域を抱える言語で、これからも話者数は増えてゆくでしょう。

7位からロシア語、ベンガル語ときて、ようやく9位に日本語が登場しますが、日本以外の国ではほとんど使われていないこと、日本がこれから人口減少社会となってゆくことから、今後は残念ながらどんどんランキングを落としてゆきそうです。

2.言語別インターネット利用者数

一方で、インターネットユーザーの数ということでとらえると、順位もだいぶ変わってきます。

言語別インターネットユーザー TOP10

第1位:英語(5.65億人)
第2位:中国語(北京語)(5.10億人)
第3位:スペイン語(1.65億人)
第4位:日本語(9900万人)
第5位:ポルトガル語(8260万人)
第6位:ドイツ語(7540万人)
第7位:アラビア語(6500万人)
第8位:フランス語(5980万人)
第9位:ロシア語(5970万人)
第10位:韓国語(3940万人)

出典; Tripadvisor, http://gigazine.net/news/20130217-most-spoken-language/

こちらは2013年の資料なので、現在は順位の変動もあると思いますが、
おおまかな傾向はつかめるのではないかと思います。

母語の話者数では2位だった英語が、唯一インターネットではその数を増やして
一位に。英語の世界の文化発信における圧倒的なシェアが読み取れますし、この傾向は変わることはないだろうと思われます。

ちなみに英語を公用語とする国は世界の60カ国で、全体の195カ国のうちの約3分の1となります。
話者数では1位だった中国語は2位、スペイン語は話者数と同じ3位でした。

中国語は経済発展によって、スペイン語はそれに加えて人口増加によって、さらに数を増やしていっているだろうと考えられます。
日本語は話者数は9位でしたがこちらでは5つランクを上げて4位。ただし、人口減少と、使われている国が実質ほとんど日本だけなので、今後はやはりランキングを下げてゆくでしょう。

5位はポルトガル。ポルトガル本国はもう長年経済の停滞を続けていますが、
ブラジルがポルトガル語使用国であり、人口も2億人に達してきています。

昨年のサッカーW杯に続き来年はオリンピックと、こちらも経済発展と人口増加で数字を伸ばしてくることが予想されます。
7位以下はアラビア語、フランス語、ロシア語と国連公用語が続き、10位が韓国語。韓国のネット普及率の高さが反映されていますね。

3.世界で最も影響力のある25言語

最後に、「世界で最も影響力のある25言語のランキング」を紹介します。

こちらは海外サイト「リスト25.com」という各種ランキングサイトが作成したものになります。話者数、国際経済と貿易での影響力に加えて「リングワ・フランカ」(共通の母語を持たない人同士でのコミュニケーションに使われる言語)としての使用頻度などを総合的に考慮したものです。

第1位:英語
第2位:フランス語
第3位:スペイン語
第4位:アラビア語
第5位:中国語(北京語)
第6位:ロシア語
第7位:ポルトガル語
第8位:ドイツ語
第9位:日本語
第10位:ヒンディー語
第11位:マレー語
第12位:ペルシャ語
第13位:スワヒリ語
第14位:タミル語
第15位:イタリア語
第16位アフリカーンス語(*南アフリカの公用語)
第17位:ベンガル語
第18位:トルコ語
第19位:ベトナム語
第20位:ポーランド語
第21位ジャワ語
第22位:パンジャブ語
第23位:タイ語
第24位:広東語
第25位:韓国語

出典; List25.com, http://list25.com/the-25-most-influential-languages-in-the-world/

こちらは、これまでの経済、文化における影響力、存在感からやはりヨーロッパ言語が上位を占め、ベスト10に入る非欧米語は中国語(5位)、日本語(9位)、ヒンディー語(10位)のみです。
ただし、やはり三年前のデータということで、今後はアジア、アフリカの言語もそれらの国の人口増加と経済発展で上位に上がってくることは間違いないでしょう。

以上紹介した3つのランキングはいずれも世界全体を対象にしたものであり、日本に来る観光客ということになれば当然違った傾向が出てきます。

例えば、現在日本で外国人観光客に大人気の飛騨高山の観光案内所には10言語の外国語パンフが置いてありました。英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、そしてタイ語と最後はヘブライ語でした。こちらは特に欧米からの旅行者が多いのでこのような対応をしているようです。

インバウンド観光に関わるお仕事等で、どの言語までのホームページやパンフを作成するか、というのはとても難しい判断になりますが、こういったデータが少しでも参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

筆谷信昭
1966年生まれ。京都大学法学部卒業後ベインアンドカンパニー入社、1992年より通訳翻訳会社のISSに参画、1998年より同社代表取締役社長、2010年退任。以後は映像翻訳、ゲーム開発、マンガ・アニメの海外展開支援、大学、地方自治体の国際化支援など、日本・北米・東南アジアをメインに幅広い分野で活躍中。2015年サイトエンジンの顧問に就任。